武器はあればあるだけいい
脱字!
スイミのハンドサインを見て前進、遮蔽に身を隠す。
そして今度はスイミの前進に合わせて前進、目標まであと2メートル。
スイミ手
モエ 手
保管庫からブラブラシュパン、フラッシュバンを取り出しピンを引く。
敵は本能寺にあり!光秀と同じ気分でお覚悟しにきた!
「うおー!お覚悟ー!」
「ん?どうしたモガッ!」
私の投げたフラッシュバンがテントから顔を覗かせたカイリにクリーンヒット!爆発!眩っしい〜!
「おまえコラ!奥歯がたがた言わせんぞ!」
「久し振りカイリ〜!ちゃんとご飯食べれてる?少し痩せたんじゃないの?」
「盆の夏に会う親かおめぇはよ!」
キレたカイリと私の距離3メートル、距離を詰められる前に移動して口撃を回避する。
「会いたいなら普通にスマホで連絡なりなんなりして来ればいいよな。なんでこんなことした?」
「サプラーイズ!ははは、は...へへっ」
こちらの鬼怖可愛顔をして私の首根っこ掴んでるのが古堂カイリ。
光沢ある鋼色のロングヘア、虹色に近い青い目、笑うと見える八重歯、アホ毛、身長149cm!!!更に個人の傭兵として齢15で東ヴァストストップに入る実力者。
まぁメノンちゃんとドスコイヨイショイの実力しかない私が勝てる訳なく
「うなあああ!!!」
「もがぁああ!!!」
身長差13cmあるにも関わらず胸ぐらをがっちり掴まれ、子供が神社の鈴を揺らす勢いで揺さぶられる。
これはいい気持...じゃなくて止め...ないで〜!
「ロリコンのモエにそれはご褒美だよカイリ」
「ロ、ロリコンちゃうわ!」
これはよく勘違いされるため、私の名誉のためお詫びと訂正をする。
私はただ友人に低身長の子が多いだけ。
それに私からロリに寄るんじゃなくてロリが私に寄ってくる。
つまりただの必然の結果、謝る必要なんてどこにもない!!!
「モエぇ〜手出してぇ〜」
「いいよー!」
ガシャン!ギチギチッ!
掛けられたのは手錠でした。
「萌え声に釣られて滑稽だねモエ」
「何もしてないじゃん!」
「犯罪者はみんなそう言う」
「モエ、友人として恥ずかしいよ。萌え声くらいなら私が幾らでも聞かせるというのに。
「幾らでも...!」
スイミが私の側にトコトコと歩いてくる。
心臓がバクバクする...!落ち着けモエ、呼気を整えろ。
宝石加工するとき、時計の修理をするときみたいに心を清らかに。
私はシゴできのカリー屋キーマ、これくらいの事で冷静さを...
スイミが私を膝立ちにさせて肩に顔を乗せる。
「ごりよーりょーきん♪いっせんちょーまーえん♪ちょーだい♪」
「払わせて頂きますー!!」
「不健全性的逸脱行為!!拘束ー!!」
ガシャン!ギチギチッ!スルッ
「ここまでがテンプレ」
「ここからが天ぷら!」
「どうやって抜けてんのか訳分からんけどな。一番キツく絞めてんだぞ、関節外してるとかのレベルじゃねぇ」
「女の秘密を一つや二つ受け入れるのがいい男だよカイリ」
「おう私も女な!」
カイリちゃんを男だと勘違いした人、後でプールに来なさい
沈めます。
私たちの中で一番乙女なのはカイリちゃんだし、口調もギャップ萌えでしょ!
乙女ツンデレギャップ萌えロリ、ありがとうございます!!
「ねぇカイリ」
「うん?」
「もえもえキュン♡」
「しねしねバキュンッ!」
「うおー!本当に撃ってる!?」
カイリの魔法で顕現させた多分リボルバーを私に一つ発砲、そのままガンスピンをするカイリ。何してるか分かんないけど凄いカッコいい、メノンちゃんが大喜びするのも分かる。
「腕は鈍ってないみたいだねカイリ」
「益々のご発展したぜ。古堂カイリ、今生一番の絶好調ってやつだ!」
「そんな君にとある依頼を出したい。ここからが本題だ」
「例の悪魔の件か?」
「まだ観察中さ、確定じゃない」
真面目な話に突入、適材適所、私は黙る。
今日の訪問の目的は交流祭で『ワールズアコード』と戦える戦力の確保。
このワールズアコード、尋常じゃないぐらい強いらしい。
メノンちゃんの話によると去年の交流祭の出来事。
交流戦は学年ごとに六人、一から三年生三チームのバトルロワイヤルだ。
その年の三年生は大人顔負けの強者の集まりであり、最後の交流祭だからと一切の遠慮をせず大暴れしたらしい。
八分で二年生チームを壊滅、一年生を三人落とした。
そして十分で三年生は壊滅した。レイサ先輩単独で。
そのレイサ先輩とそれ以上に強いトコナ先輩、そして賢才のメノンちゃんが本気を出してなんとか二人を撃破した。それがワールズアコード、対抗出来る人物は数少ない。
「依頼は偵察・防衛任務。校内に侵入して来るワールズアコードを発見して拘束、やむを得ない場合を除いて殺害の禁止。そして悪魔と呼ばれる少女の護衛だよ」
「猫又エマ...偶然にもトコナ先輩と同じ苗字なんだな」
「エマはそのトコナ先輩の妹だよ」
「...ガチ?あの人妹もいたのかよ」
「メノンちゃんもトコナ先輩の妹じゃんか」
「あれはただの自称だろ!?」
あぁ懐かしいこの感じイイね!テンション上がる!
やっぱり生意気カイリ、通常生カイリは最高だぜ!
私の心が狂喜乱舞しているとカイリちゃんがため息を吐き徐に立ち上がる。
「まぁ依頼は引き受ける、友人の頼みだしな。けれどその悪魔に関しては私自身の目で見定めさせてもらう」
ここ東ヴァストスに於いて悪魔という言葉を安易に口にしてはいけない。
何故ならそれは本当に存在した生物であり、死の象徴。
約11年前、当時500万以上の人口を誇ったヴァストスに現れ国民旅行者含め一日で200万近くの死者を出した謎の存在。銀髪赤目の少女であるという唯一の情報のみが後世に伝えられている。
エマが本格的に排除されなかったのはその身体的特徴が違っていたから。だが悪魔は多くの人の心に深過ぎる傷を与えた。
「そして気に食わなかったら殺す。悪魔の存在を私は認めない」
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「くしゅんっ!寒っ!服着てないから寒い!」
どうも!全裸で体力魔力血液不足で残滓蔓延る謎の山に置き去りにされたアルマ院一年生Cクラスの猫又エマだよ!
Qこの文章から誤った箇所を抜き出し修正しなさい。
A解なし
意地悪問題でした〜!パチパチ
「こんな事になるならたい焼き買ってくればよかったー!」
前方に体を横回転、ナイフを持つ右手に左手を添えて木を伐り倒す。
木が倒れる方向は切り付けた方向、僕がいる場所に倒れてくる。
なら僕を追いかけて来る残滓が巻き込まれるのは当然の事。
「はぁはぁ、これで31体目だよぉ。倒しても倒してもキリがない」
それに同じのが出てくるならまだいい。対策が楽だし倒し方も同じだから。
でも残滓は何にでもなれる。牛、アライグマ、木、石、食品。
水に化けていてそれを飲んだ時は死ぬかと思った、この生物凶悪過ぎる。
「vectorも弾切れ、ロープとか爆薬も無い。もう充分でしょミツルさぁ〜ん」
独り言、ではない。もちろんここに居るのは僕一人だ。
けれど風に乗せられて声が運ばれてくる、帰ったら一発叩き込みたい人の声が。
「あと二時間、そして九時間寝させた後学校まで送るから今は頑張って!」
「二時間あったら二時間みんなと遊べるよ〜!」
「うん?...そうだね、けど今は我慢して欲しいな」
我慢、確かにそうだ。この訓練はきっとミツルさんにしか出来ない。
お姉ちゃんとかレイサさんも僕に訓練をつけてくれる。
でも僕は弱いから、二人はいつも手加減してしまう。でもそれは僕が弱いのが悪い。
僕は夢を叶えるために強くならないといけない。だったらこの程度の事笑い飛ばしてこなしてやる!
「ごめんなさい、訓練を続けましょう!ミツルさんの信頼と期待に応えて魅せるよ!」
「いや〜こっちこそごめん、エマは呑み込み早いしリアクションも良かったからついやり過ぎちゃったんだよね〜!戦ってるとこも可愛いし」
「ん?まるで鑑賞動物のような扱いを受けてるような...?」
「頑張れーエマ!右側から超強いの5体来てるよー!」
気のせいか、ミツルさんはいい人だからそんな事するはずない。疑って申し訳ない。
それより接敵......五体は不味いいい!!!
「そうだ、お土産買ってきてやったぞ。モエはマグロな!」
「マ、マグロ?...えっマグロ?」
「スイミにはこれだ」
「白と黒の羽織袴、ありがとー」
「刀を使うおまえにピッタリだろ!」
「私はなんでマグロ!?」




