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逃れられない宿命 妹属性


  なんか海苔を齧ってるレイサと一緒に家を出た。


 集合場所は私の家がある高級住宅地から少し離れた場所だ。ん?なんで私の家がそんなとこにあるのかって?それら私の家族がとても偉い人だからだ、私達が住むこの宝石と魔法の国、ヴァストス。人口三千万人を超える世界一の大国。経済的に豊かである上に、自由と文化を尊ぶ心も持つ。


 そしてお母さんはこの国の治安を維持して平和を守る第二騎士団の団長。

 お父さんは事件の捜査や詐欺を取り締まる第一騎士団の副団長。

 お給金もそれはそれはたんまりいただきまして、人並み以上の生活を享受させていただいているのだ。


「ねぇねぇトコちゃん、私ね、朝コンビニでぶどうジュース買ったんだけどさ、これ果汁1%て書いてあるんだよ! 1%しかぶどう入ってないのにぶどうジュースって呼んでいいのかな。どう思う?」

「レイサ、樽一杯のワインに人匙の泥を入れたらそれは泥水だと思わない?つまり、そう言うことだよ」

「理解!そう言うことなんだねトコちゃん!さっすが!」


 まあ、もしそんなことしてる奴を見つけたら泥と塩と紫蘇で満たした樽にそいつを漬け込んでやる。私は食べ物を粗末にする人が嫌いだ、無論私の周りにはそんな人はいないけれど。


「ぬわあああ!!!朝トコちゃん家まで走ってたから炭酸が爆発した〜!」


 私はレイサからペットボトルを奪い取って飲み干す、そして服の中にペットボトルを入れ乾かして回収機に投げる。

 何がメントスコーラじゃ、普通に飲め〜!!!


 そんなくだらないことを言い合いながら私達は目的地についた。

 少し辺りを見てみると待ち人はすでにいた。


 濃い青髪に青い目、特徴的な癖っ毛に童顔で小さな子、名前は花影(みかげ)メノン。

 私達の中、平均的にも小さくて愛らしいこの子を侮ることなかれ。

 メノンちゃんは稀代の賢才、百年に一人の奇跡と呼ばれるほど賢い子なのだ。どうしてそんなすごい子と友達かといえば、2年ほど前にメノンちゃんのお母さんの件で知り合い、成り行きで仲良くなった。

 ちなみにこの中だと171cmあるレイサが一番大きい…胸は私が一番だけどね!


「おはよ〜メノンちゃん、今日は春風が気持ちいね〜」

「メノンちゃんおっはー!」

「はい、おはようございます」


 今日は祝!メノンちゃん学院首席合格ということで一緒に遊びに来た。


「ふふっ、今日は『あそこ』に連れて行ってくれるんですよね?」

「うん、午前はそこに行って、午後は合格祝いに私とレイサでプレゼントを買ってあげるよ、あと武器はちゃんと持ってきた?」

「もちろんです。この日のためにたくさん準備してきました」


 メノンちゃんがカバンの中を見せてくれる、M29、UNO、トランプ、マグナム弾、vita…他にも暇つぶし出来そうな物が沢山。

 なんでこんな中学生の修学旅行の荷物みたいな物が沢山あるんだろう?あっ、ゴッドイーター2だ、後で貸してもらお。


 そして私達は話しながら『あそこ』に向かった。

 辿り着いた『あそこ』とは


「くらえ! 私の二万円したマイボールをっ!」


 雷の模様が描かれたボールは左に流れ5点を獲得


「もういっっっちょ!」


 直線に進み2点


『あそこ』の答えはボウリング場でした〜パチパチ!

 メノンちゃんはどうやらボーリング場をboring場と勘違いしていたらしい、だから暇潰し出来そうな物が沢山あったのか〜いやそうはならないでしょ。


 まあ何はともあれ楽しもう!

 今はしくじり先生レイサをお手本に多分ボウリングにだけ疎いメノンちゃんに色々教えている、レイサも一応マイボール買ってるのに全然上達しない。

 本人曰くちょうど良い重さだから、転がすより上に投げたいっていう気持ちが先行してくるらしい、よく分からないけど。


「いいメノンちゃん、ああやって腕を振り切るとコントロールできなくなるんだよ。だからリラックスして、手首に意識を集中させてね」

「やめろー見るなー!」

「なるほど、やってみます」


 メノンちゃんは青いレンタルボールを手に取った。

 ラインの前に立ち、深呼吸をして肩の力を抜く。そして手にスナップをかけ投げる。

 ボールはゆっくりだか直線に進んで7点、状況は右1左2のスプリットだ、2投目は数の多い左に投げるが少しずれて惜しくも1点を取った。


「私のライジングボンバーが負けただと…っ?」

「レイサ先輩はまず投げ方を直しましょうね♪」


 さて私の番が回ってきた。私はマイボール、ファイアーバーストを手に取る、ボールの命名をしたのはレイサだ、決して私じゃない。


「トコちゃん、固有魔法を使うのはずるだからね!」


 固有魔法、多くの人々が使えるその人物固有の魔法。

 固有魔法と言ってもその多くは汎用型の魔法、火を起こしたり風を吹かせたりする事が出来るだけだ。だが私やレイサ、メノンちゃんなどの一部の人間は特殊型の魔法が使え、こちらは本当にその人のみが扱える特別な魔法が与えられる。


 確かに私の固有魔法を使えば簡単にストライクを取れる。

 だがっ!


「おら〜」

「トコナ先輩がおもいっきり腕を振って投げた…っ!?」

「さっき私にダメ出ししてたのに!」


 後ろで何か言っているが当然ストライク、親指を先に抜いて中指で回転をかける。あとは速度とコントロール力でゴリ押す、私はここに5年通うボウラーだ。東ヴァストスジュニア大会での優勝経験もある!


「ストライク!ガッターアウト」

「イェ〜イ!」


 座ってメロンソーダを二口、喉への刺激が溜まる。刺激の過剰摂取だ、脳に快感物質が流れまくってる。

 テンション上がってきた、このまま魔法無しでパーフェクト決めるぞー!

 この後めちゃくちゃ2ゲーム分楽しんだ、パーフェクトは癖でスピンを掛けすぎてボールがUターンして失敗しちゃったけど。

「この象さんのやつ面白い〜!」

「この合理的で計算されたフォルム…買いです」

「滑り台にして遊んじゃダメだよ〜」

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