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グッドサインは逆転の兆し

さっきスマホお風呂に落としてマジでビビりました。

分からない分からない分からない!

どうしてキューブを泣かせてしまったのか、二人のために何をすべきなのか!馬鹿だから、だからなんでそうやって諦めるの!!

考えろ!二人のために私が出来る事を、二人の幸せのために......


「....あっ、もう夜なんだ」


いつの間に、まだ答えも出てないのに。

...足が痛い、靴を履き忘れちゃった。

それにここはどこなんだろう、記憶がまったくない。

けれど帰らないと、門限は七時半だから。それに早く寝ないとお仕事が...


「ははっ、どこに帰ればいいんだろ」


そうじゃん、もう二人にも嫌われちゃったし、ジュドーさんとの約束も破ってしまった。帰りたくない、朝までは幸せな毎日だと思ってたのに。

今は、みんなに会うのがひたすら怖い。

私は横になる。何もしてないのに、今はもう疲れた。


「...死体?」


うるさい、放っておいてよ。


「生きてるの? 随分と度胸があるんだね。ギャング事務所の入り口で寝るなんて」

「.....へっ?」

「白神ぃ!今日こそその面を剥いで磔刑に処してやる!!!」

「黙れ、この子が起きるだろ」

「だったらそいつごと磔刑だっ!」


ええええええ!!!????


「嘘嘘! 放って置かないで、助けて!」

「破滅願望を抱いてそうな感じだったのに、やかましいな」

「集まれぃテェメェらーーー!!!」


扉から、窓から、屋上から顔の怖い族が現れて私と隣の女の子を囲む。


「雑魚共が、学習しろ」

「舐めんな白神、俺は他の奴らと違う!槐園会の総大将、アスパラギン様だ!」

「君達はみんな同じ事を言う、まるで学校の教師だね。知ってるかい、彼らは担当するクラスの数だけ同じ授業を何度もするんだ。私は3年間しか学校に通うことが出来なかったが...」

「コイツを黙らせろ!!!」


私達黙らされるの!? 顔の怖い人達が取り出したのは銃。

あっあれ知ってる、トンプソン銃だ!ストレイツォ撃ったやつだ!

...銃やんけ!!!


「うわあ死ぬーっ!! 助けてスト様ー!!!」

「君、実は結構余裕があったりして」


響き渡るうるさい銃声、私は死を覚悟した。

怖すぎて自分よりも小さいこの子の足にしがみついてしまった。

けれど銃声の中、その声は心地の良い鈴の音のように確かに聞こえた。


「「絨毯」、やはり同じだね」


全ての音が遮断された後、何かが倒れる音がした。

何が起きてるのか知りたくて後ろを向こうとしたら、手で目に蓋をされた。


「追っ手がだるい、ここから離れよう」


ぐえっ、お腹に手を回されて持ち上げられた。

そしてジャンプ、すごい浮遊感と顔に当たる風圧が痛い。


「君の家はどこだい、送ってあげるよ」

「あっと、それはその〜」

「なるほど、家出少女ということか」


突如急停止、首ガクンってなった。痛い。

視界が開けた、見えた風景は近づく地面だった。


「あいやあああ!!!あ〜あああ♪」

「やっぱ君がいると緊張感湧かないね」


げふっ、着地の衝撃で腕が食い込んで痛い。

ぎゃふん、そのまま床に落とされた。


「私の隠し拠点、誰かにバラしたら始末するから。いい子にしてね」

「はぃぃ」


怖いよこの子、一体何者なんだよ〜?


「あなたは誰なの?」

「白神、神様だよ」

「絶対嘘じゃん」


保管庫から氷を取り出してガリガリ齧りながら答えてくれた。

...改めて見ると凄い可愛い顔してる。

青空をそのまま埋め込んだような瞳に、シスターのベールを彷彿とさせる銀の髪。その上でぐっサインをするアホ毛!!


「君の悩みを私に言え、おおかた一人で悩んだが答えが見つからず自棄になってあんな場所で寝ていたんだろ」

「全部あってる! 本当に神様なの?」

「...これに悩みとか出来るのか?」


神様に相談したら、きっと全部解決してくれそう。


「これは今朝、実際に体験したことなんだけど」

「怪談みたいな語りだしだね」


でもそれ以上に、この子と話すのが楽しいから話したくなった。


───── ───── ───── ───── ─────


「君が悪いね」


断言された。


「やっぱりかぁ...」


当然だ、結局私は二人に向き合えてなかった。

独りよがりに満足していただけだった、なら改善策も見えてきた。

もっと二人のことを尊重して、望みを...


視界がブレた、ほっぺも痛い。

体はバランスを崩して立ってられず尻餅をついてしまった。

座り尽くして落ち着くと理解できた、自分が殴られたことに。


「分かってなさそうだからもう一度言ってあげよう、君が悪い」

「っ! 殴んないでも一回言われたら分かるよ!」

「どうせ自分の努力が足らないとか、もっと二人のためにできることがあったとか考えているんでしょ。やっぱり馬鹿なんだね」

「なっ、何が違うの! それしかないでしょ!」

「そこまで説明しないとか。これは弟くんに同情する。彼の代わりにもう一発いくか?」


また殴られるっ! けれどさっき殴り飛ばされたから距離ができてる。

当たらないように後ろに跳んで、既に殴られていた。


「痛っい!なんで当たるの、もうやだ! 死にたいよ!」

「まだそんなことを吐かすか、その選択が弟妹を真の絶望に堕とすとも気付かず!」


初めて白神が声を荒げた、私はそれに言い返したくても出来なかった。

白神が、あの時のキューブと同じ顔をしていたから


「君は、その弟妹のことばかり言う」

「だって、それしか分かんないよ...」


痛くて、痛くて涙が出てくる。

一度決壊したら自分ではもう制御できない。


「お母さんもお父さんも私に何もくれなかった。ランドセルも、手鏡も櫛だって、日焼け止めも、みんな持ってたのに私だけ何にも持ってなかったじゃん!!!」


(二人でお揃いの筆箱買ったの〜!)

(いいね!可愛い〜!)

ずるいな、前のやつ壊れてなかったくせに、見せつけてこないでよ


「だから私は二人に全部をあげるの。キューブが欲しがったドローンも、アルが好きなお菓子も!だってそれしか...人を喜ばせる方法が、分からないから」


けれど、お母さんとお父さんがくれたものがあった。


(今日からこの子のお世話をよろしくね、モエお姉ちゃん)


小さくて、もちもちしてて可愛い


(この子はキューブ、私達の大切な子よ)

合同会社コーセキ

12話で持分会社と書かれていたな、あれは嘘だ

私が勘違いしていた、許せサスケ おもちゃのチャチャチャ

〈評判〉

なんでもないように振る舞っていますがモエさんは超有名人です。

ですが世間に顔を晒していないので身バレはしていません。

技術力もイカれています、『現像』を使わなくても最高峰です。


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