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迷路惑星

作者: 藤乃花
掲載日:2024/11/06

工作の宿題で『自由な課題』というテーマで物を制作する事になった。銀麻宵しろがねまよいは僅か八歳にして物を精密に造る才能に恵まれており、麻宵まよい自身も何を造るかで胸を踊らせていた。帰宅すると即自室にこもり、机に向かい紙に設計図面を書いていく。(前の工作の授業じゃ、六面パズルを造ったから……今度はもっと、凝った物を造りたいな……)紙に鉛筆を走らせ、想像している形を立体的に描こうと指先から力が入る。(うーん……イメージとしたら手のひらで遊べる物を、更に進化させた物なんだけど……そうだ!迷路!迷路のパズルを造ろう!)好きな事に取り組む時間はどんなに長くとも疲れ知らずで楽しめる。それが麻宵まよいの性分。明日は休日なので、夕飯を済ませた後も自室で制作に取り掛かっていた。「麻宵まよい、宿題が大事なのは分かるけど、明日はお休みだからもう今日は寝なさい。提出期限日は再来週なんだから、急がなくても良いじゃない。健康だって大事よ」母の麻空まそら麻宵まよいの身を、常に案じている。「はーい、寝まーす」「おやすみなさい」「おやすみ」机から立ち、麻宵まよいは、窓を閉めに移動する。「ん?」ふと闇夜の向こう側から、光がこちらに近付いてくるのが見えた。「どうしたの?」「母さん、あれ……何?」「あれって?」麻空まそらも窓へと近付いて、外を見る。光が光の速さでこちらに飛来してくるのだ‼光だから光の速さで来るのは、当然……いやいやそうじゃなくて、来る!「え……?」「隕……石?」家に向かって来るのだから、逃げようがない。「ひ……非難しないと……!」段々大きくなってくる。つまり、落下する寸前という事だ。「どうしたんだ?」何かを感じたらしく、父、流星りゅうせいが部屋に入ってきた。「父さん!危ない!出て、出て!」「貴方、隕石!こっちに向かってるのよ!」「ん?」二人が慌てる中で、流星りゅうせいだけは呆然としている。「そうだ!私の作品!」宿題の作品を持って非難しなくては、折角のアイデアがパアになってしまう。麻宵まよいが考えた作品というのは、迷路の六面パズルで、どの面に合わせても上手く迷路のルートが綺麗に繋がる物なのだ。「あれは今までの作品の中で、一番凝った物なのよ!壊れてたまるもんですか!」「麻宵まよい!」麻空まそらが叫び声を上げた瞬間、流星りゅうせいは光の速さで麻宵まよいの前に立った。「……っ!」光の形がはっきりした。星!少しばかり大きい星が窓を通り抜け、部屋に入ってきた。「「「!」」」星は部屋中を明るく包み、三人までを光の中に閉じ込めた。眩しさで目が開けられず身動きがとれない三人の側で、聞き慣れない声がした。「皆さま方、お騒がせいたしました」気が抜けるような声は、机の方からする。ようやく目を開けられた三人の前に存在を主張しているのは、光を放つ麻宵まよいの作品だった。「はじめまして、流れ星の『カナエ』です。皆さま方のもとに堕ちたのも何かの縁でございましてですね、わたくしめが皆さま方の願い事を叶えて差し上げましょう」呆気にとられる三人をよそに、流れ星の『カナエ』とやらは、一人(?)べらべら説明している。「願い事を三度唱えれば叶うと申すようにですね、お一人様お一つずつ願い事を告げて頂ければ、叶います」説明は終わらない。三人は驚きすぎて、声も出ない。「と言うわけで御座いましてですね、皆さま方の願い事を叶えるまで、こちらにご厄介になります。よろしゅうお願い致しますわ」しかも、話し方がじゃっかんオッチャンくさい。「あ、因みに好き嫌いはありませんので、何でも食べれますねん」『カナエ』は何者なんだ?暫くすると、三人の意識がはっきりした。「「「えーっ?」」」人間と流れ星の日常生活が幕をあける。




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