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30.アレン

『何も考えずに走り回っているから怪我をするんだ、この馬鹿者めが』

『おいアレン、竿を上げるのが早すぎるんだ！　釣りの極意は“我慢して待つこと”だと言ってるだろう馬鹿者！』

『いいかアレン、勉強よりも大事なのは金だ。それがなければ、何も守ることは出来んからな！　がはははは！』

『そんな情けない顔をするな馬鹿者！　男はな、何が起きようとも、絶対に屈してはならん！　そういう男に皆ついてくるのだ！』

『そろそろ引退しろだと、この大馬鹿者！　舐めるなよアレン！　生涯現役が儂のモットーだ！』

『アレン、儂としたことがこんなことになってしまったが、今後商会の会長はお前を代理とする。何、そんな難しいことはない。お前の思った通り動かせばよい』

『お前が医者に頼んで貰ってきてくれる薬は、本当に良く効くな。ほれ見ろ、こんなにも元気に動けるぞ！』

『儂が死んでも、ルナと仲良くやるんだぞ。儂はテレーザに……構ってやれんかったからな』

『アレン様、お慕いしております』

『私にも料理が作れたら、アレン様にご馳走してあげられるのに……』

『明日は早く帰ってこられるんですよね！？　――』