表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽りの婚約者は捨てられる  作者: 一発ウサギ
8/15

7.愚者達の密談②

ブックマークありがとうございます。

「アリアを養女にさせて、邪魔な辺境伯とディオンを追い出し、辺境伯家を乗っ取る…悪くない話だ」

(どうせ足がかりにして王家に戻るとしても、娘婿になるより、当主として権勢をふるう方が…)

未来の自分と寄り添うアリアの姿を想像して、俺はニヤリと笑う。

「あ、待って。ディオン様は追い出す必要はないと思うの」

焦った顔をしたアリアの発言に、俺は首をかしげる。

「何故だ?奴がいると、辺境伯家を乗っ取れないぞ」

「「そうですよ」」

チェンとトランも、不思議そうに首をかしげる。

「え、ええとね…ほら!ディオン様はカッコイイ…じゃなくて、優秀でしょう?仕事を全部押し付ければ、お金も稼げて、良いと思うの」

アリアの発言に、ムッとする。

「それは俺だと、辺境伯の仕事が上手く回せないという事か?」

確かに奴はテノール兄上の補佐にも抜擢され、真面目で有能だと評判を聞いているが、俺だってそのくらいはできる。

辺境伯家を足がかりに、テノール兄上、ひいてはリュード兄上に代わって、この国を牛耳るのだ。

するとアリアが慌てて訂正する。


「そう言う意味じゃないの、傷つけたならゴメンナサイ…ただ、代わりに仕事をしてくれる人がいれば、楽で助かるかなぁって…」

そう言いながら潤んだ上目遣いで、胸を押し付けてくる。

「ま、まぁ…確かにその方が楽でいいかもしれないな」

「「そ、そうですね…」」

アリアの誘うような(実際誘っているんだろうが)動作にゴクリと喉が鳴るが、そんな場合じゃないと何とか耐えた。

最終的にセレナーデを追放して代わりにアリアを養女とし、再婚約、結婚後辺境伯家を乗っ取り、辺境伯家の力で補佐となって王太子に近づき、ゆくゆくは取って代わるという方針に決まった。





決行は一か月後のセレナーデの18歳の誕生パーティ。

この時俺達は、自分達の勝利を疑わなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ