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偽りの婚約者は捨てられる  作者: 一発ウサギ
4/15

3.セレナーデとの出会い

評価、ブックマークありがとうございます。

☆5つなんて初めてで感激です(ノД`)・゜・。

セレナーデと初めて会ったのは、12歳の時王宮で開かれた、俺の婚約者を見つける為のお茶会だった。

通常王子の婚約者は5歳ごろから探し始めるが、我々3兄弟は歳が近く、そのため俺と年の近い令嬢は全て兄2人の婚約者候補となり、兄達の婚約者が決まってからようやく俺の番が回って来たのだ。

(兄達に選ばれなかった残り者か)

会場を見回しながら、内心ため息をつく。

第3王子なので仕方ないとはいえ、いつも兄達の残りを寄越されてるので憂鬱だった。

だが、このままで済ませるつもりはない。

いずれは兄2人を押しのけて、俺が王太子になる。

(その為にはまず人脈作りだ)

父上達には「出来るだけ高位の令嬢を集めてほしい」と、頼んである。

この茶会は俺の栄光の第1歩となる。

俺は気を取り直して、笑顔を浮かべながら挨拶をした。


数刻後、俺は寄ってくる令嬢達に笑顔で応じながら、内心辟易していた。

どれもこれもロクな女じゃない。

伯爵や子爵といった、下級貴族がほとんどだ。

公爵や侯爵令嬢などもいない訳ではないが、兄の婚約者に選ばれなかった連中ばかりで、向こうも「今は王族とはいえ、いずれ臣籍に下る王子なんかと…」と、あからさまに不満そうにしている。

そんな相手では、婚約してもロクな後ろ盾にはならない…かといって下級貴族は論外だ。

(適当に回って「これという令嬢がいなかった」と言おう)

婚約者選びの会は今回が初めてで、必ずこの中から決めなければいけないという訳ではないし、派閥や家同士の関係で今回招かれなかった令嬢もいる…次に期待するとしよう。

そう思いながらぶらついてると、会場の隅にいた1人の令嬢が目に留まった。

色の薄い金髪がサラサラと流れ、ミルク色の肌にうっすらと赤味のさした頬。兄らしき少年を、若草色の瞳をキラキラさせて見上げている。

まるで妖精のように、愛らしい少女だった。

俺は急いで両親の元に戻り「あの令嬢を婚約者にしたい」と言った。


令嬢の名はセレナーデ=ノクターン。

西の辺境伯の一人娘で、一緒にいたのは義理の兄だという。

病弱なうえ、跡継ぎなので婿入りできる相手でなければいけないという事で、身分振る舞い共に申し分ないにも関わらず、兄達の婚約者候補に入らなかったという。

この時俺は初めて、第3王子であることに感謝した。

俺が3番目でなければ、彼女はこの場にいなかっただろう。

候補に入らなかったとはいえ一考されるなら、田舎伯爵とはいえ有力な貴族なのだろう。

(やはり将来の王妃なら、容姿も重要だろう)

後ろ盾の事ばかり気を取られていたが、妃とするなら顔も大事だ。その点彼女は満点だ。

この時俺はすんなり婚約が成立して、セレナーデもこの婚約を喜んで俺を受け入れると思っていた。


その日の内にノクターン家へ婚約の申し込みをしたが、期待した返事は貰えなかった。

何故か辺境伯が「病弱だから王子妃教育に耐えられない」「娘と王子では不釣り合いなので…」など色々理由をつけて、のらりくらりと躱しまくるのだ。

こちらも「どうせ婿入りするのだし、王子妃教育はしなくていい」「王子がセレナーデ嬢で良いと言っている」と、あれこれ条件を下げてみたり、強気で押してみたがどれも上手くいかず、最後には父上に頼んで「王命だ」と押し切ってようやく成立した。






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