任務完了
礼司が運転するタクシーが駐車場に入った瞬間
フロントが溝に入ったように頭を下げた
「どうしたの?」
「汗鬼に飲み込まれた」
礼司はギアをバックに入れたと同時にライトをハイビームに入れた
すると「ギャー」という声を上げて汗鬼は
3mほどの高さに立ち上がった、それに向かってUターンした礼司は
ハイビームを当てると「ギャー」と言って今度は地面に這った
それを礼司は思い切り轢いた。
「よし!」
礼司がタクシーを止めてタクシーの下を見ると汗鬼は見あたらなかった
「逃げられた?」
魔美も浜田も辺りを見渡した
「どこへ行った?ビルの中か?」
礼司が走って1階の浴室に向かうと鬼が天井に張りついて礼司を狙っていた
それに気付かない礼司の上に落ちて来て礼司の全身から体液を吸い始めた
「痛てて・・・・」
体中に痛みが走った
そこへ、タオルを口に咥えて運んできた乱丸とナイルが汗鬼にかぶせ、
両手いっぱいにバスタオルを抱えた魔美と浜田が汗鬼に投げつけた
すると青いタオルがベージュに変わった瞬間、
浜田が「夜野さん!!」そう言ってピストルを投げた
礼司がピストルを受け取るとそれは黄金の光を放ち
15発立て続け弾丸を発射すると汗鬼がよれよれになった
そして、礼司は小柄を握ると金色に輝いて刀のように伸びた
そして、ジャンプしてバスタオルを縦に切ると
汗鬼は凄い音を立ててバラバラに飛び散った
そして、大田区のスポーツ施設から五人の白い塊りが空に向って飛んでいった
「きゃー、やったー」
魔美と浜田が拍手をした
「11時55分任務完了!」
礼司が雄たけびを上げた
「夜野さんお疲れ様でした」
浜田は握手をした
「さあ帰るぞ!」
「はい」
3人と2匹はスポーツクラブを出てタクシーに乗った
「浜田さんなんて報告するの?」
「まあ、事実は無理ですね。でも安全宣言を出さないと」
「うん、とりあえず汗鬼は退治したけど、まだまだ出てくるぞ」
「本当ですか?」
「うん、また手伝ってね」
魔美がニッコリ笑った
「はい」
浜田も笑った
「がんばれよ」
そう言った礼司は向うの世界の由美達の様子が気になっていた。
汗鬼 完