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地獄タクシー Ⅱ  作者: 渡夢太郎
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交通事故

「ああ、やっちまったよ」

礼司はその車の運転席を見るとエアバックに首を突っ込んでいるのはスーツ姿の

男性だった。

「あれ?男?」

礼司はタクシーをしばらく走らせると「これって鬼の仕業じゃないか!」

そうつぶやいた。


翌日、礼司はジャパンテレビの報道局の後輩水野に電話をした。

礼司は運転手をする前は

ジャパンテレビのディレクターで

上司のやらせ疑惑の責任を取って

辞めさせられたのだった


「しばらく、水野」

「夜野さんお久しぶりです、今はどこで?」

「ああ、タクシーの運転手やっているよ」

「ええ?もったいない、夜野さんならどこでも」

「まあいいよ、それより神奈川の飲酒運転死亡事故って変じゃないか?」

「ああ、そうですね、毎晩ありますね」

「うん、そして昨日も駒沢であって5日連続だろう」

「えっ。ちょっと待ってください

水野が地図を見みながら


「そ、そうですね鎌倉から東京へ順番に」

「な」

「でもだからと言って、我々は週刊誌じゃないから

飲酒運転死亡事故の謎なんて特集は組めませんよ」

「それで、その事故のあった車の色分かるか?」

「えーと、ちょっと待ってください」

水野はそばに居たアシスタントにメモを書き調べさせた


「夜野さんどこか制作会社紹介しますから戻ってきてくださいよ」

「そうだな、そのうち飲もうぜ」

「はい、おごりますよ」

「サンキュー」

「分かりました。全部黒です。車種が・・・・」

水野が声を詰まらせた

「どうした?」

「みんな同じ・・・です」

「4つの〇だろう」


「は、はい、その通りです」

「あはは、そうだよな。分かったありがとうな」

「あ、夜野さん何か知っているんですか」

「言っても誰も信じないよ」

「え?」


「それと、方南町のひき逃げ事故」

「ああ、1ヶ月前の小学生が死んだ事故ですね」

「うん、あれ母親がビラを作って目撃者探しをしているぞ」

「そうなんですか」

「特集組んで協力してくれよ、それなら現実味があっていいだろう」

「はい、検討します」


礼司は電話を切ると

「鎌倉からこっちへ向かっている物は、

あの霊園で感じたものか?」

礼司は空を見上げながら

「魔美どうする。鬼だとしたら俺一人じゃ退治はできないぞ」


礼司は松山良子に電話をした。

「あ、夜野さん」

「ちょっとお話がありまして」

「はい?」

「お会いできますか?」

「はい」

礼司は方南町の喫茶店で良子を待つと、その姿はすっかり

やつれ目がくぼみ、頬がこけ、肌にまったく艶がなくなっていた


「ビラの反応はありませんか?」

「ええ、まだ何の手がかりも・・・・早く犯人が捕まると良いのですが」

「いっそ犯人が飲酒運転で事故死しないかと思いませんでしたか?」

「え、はい。そう思ったこともあります。でも今は・・・」

良子はためらいながら返事をした。


「どうしました?」

「ええ、あれから毎晩変な夢を見るんです、体が浮いて空を飛ぶような」

「夢?」

「はい、夜突然眠くなって朝起きるとすごく疲れているんです」

「飲み屋街の通行人を見ているとか?車を探しているとか?」

良子は驚いたように「は、はいその通りです」


その時、礼司は良子におきている事が分かった。

そしてそれを言って良いか悪いか悩んでいた。

良子の霊園に残してきた残留思念が生霊となって

本人の意思とは関係なく飲酒運転の人にとり憑き自爆させて復讐をする。

たぶん、犯人が死ぬまで続くだろう。

いや、死んでも続くかも知れない。


「生霊退治か鬼退治はやった事あるけど・・・」

礼司はつぶやいた

「はい?」

良子が尋ねると「もしかして、車を運転している夢は?」

「それは無いですね」

「そうですか」


礼司はしばらく考えて

「松山さん今夜12時いや11時にそこの

交差点に来てもらえますか?ご主人も一緒に」

「はいわかりました」


その夜の11時、礼司は交差点の手前に

タクシーを止めて松山夫婦の来るのを待った

「お待たせしました、夜野さん」

良子が礼司に声をかけた

そして夫が

「はじめまして、松山です」

と言った


「夜野です、車に乗ってください」

二人が後ろの席に乗ると

「ご主人に来てもらったのは、

もうすぐ奥さんが睡魔に襲われます」

「はい、私がですか?」

良子は不思議そうに聞いた

「ええ、ご主人はそれを見ていてください」

「はい」


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