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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
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細殿の三の口に入りて臥したれば、

 細殿の三の口に入りて臥したれば、小少将の君もおはして、なほかかるありさまの憂きことを語らひつつ、すくみたる衣ども押しやり、厚ごえたる着重ねて、火取に火をかき入れて、身も冷えにける、もののはしたなさを言ふに、侍従の宰相、左の宰相の中将、公信の中将など、次々に寄り来つつとぶらふも、いとなかなかなり。今宵はなきものと思はれてやみなばやと思ふを、人に問ひ聞きたまへるなるべし。

 「いと朝に参りはべらむ。今宵は耐へがたく、身もすくみてはべり。」

など、ことなしびつつ、こなたの陣のかたより出づ。


細殿の三つ目の局で横になっていると、小少将の君も来られて、このような宮仕えの辛さをお互いに嘆きつつ、冬の夜の冷気で固まってしまった衣を押しのけ、綿の入った厚い着物を重ねて香炉に火を入れるなどするけれど、とにかく身体が冷え切ってしまった。(’寒さのためとはいえ)はしたないような様子なのに、侍従の宰相、左の宰相の中将、公信の中将など、次々に来られては声をかけて来るのが、実に対応が面倒。今夜は内裏にはいない予定であったのに、誰かに聞いてここに来たのでしょう。

しかし彼らは

「明日の朝早くに参ります」

「今夜の寒さは、とても耐えられません、身体が硬直してしまいます」

と、こちらの詰所ほうから出て行ってしまいました。



現代も京都の冬の夜は寒い。

しかも平安時代。

内裏も暖房設備がしっかりしていたとは言えない。

中宮と中宮付き女房が里(私邸)から戻って来たと言っても、とても話など寒くて無理、そんな状態と思う。

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