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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
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住み定まらずなりにたりとも思ひやりつつ、

住み定まらずなりにたりとも思ひやりつつ、おとなひ来る人も難うなどしつつ、すべてはかなきことにふれても、あらぬ世に来たる心地ぞ、ここにてしもうちまさり、ものあはれなりける。

ただ、えさらずうち語らひ、すこしも心とめて思ふ、こまやかにものを言ひかよふ、さしあたりておのづから睦び語らふ人ばかりを、すこしもなつかしく思ふぞ、ものはかなきや。


(自宅とか道長様のお屋敷とか内裏など)この私の居場所が定まっていないことを考えてなのか、訪ねて来る人など、ほとんどいない。(こうなってしまうと)どんな些細なことに接しても、(以前とは異なる)違和感ばかりの別の世界にいる感覚が、この慣れ親しんだ自宅にいても増し、何とも気持ちが落ち込んで仕方がなかった。

この状態では、(単に仕事の上の関係だけではあるけれど)、常にわだかまりなく話し合い、少しでも気にかけていると思ったり、親密に会話ができる人たち、当面普通に会話ができる女房仲間だけが、何となく懐かしく思えて来るけれど、そんなことが我ながら情けないことと思う。

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