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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
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「わが御いらへはせず、大夫を心ことにもてなしきこゆ。

「わが御いらへはせず、大夫を心ことにもてなしきこゆ。ことわりながら悪ろし。かかる所に、上下臈のけぢめ、いたうは分くものか。」

とあはめたまふ。

 「今日の尊とさ」

など、声をかしううたふ。

 夜更くるままに、月いと明かし。

 「格子のもと取りさけよ。」

と、せめたまへど、いと下りて上達部のゐたまはむも、かかる所といひながら、かたはらいたし、若やかなる人こそ、もののほど知らぬやうにあだへたるも罪許さるれ、なにか、あざればましと思へば、放たず。


(藤宰相は)

「私には返事をなさらないで、大夫を特にもてなすとは。それは(身分を考えれば)正しいご判断かもしれませんが、どうでしょうか」

「このようなおめでたい時に、上下の差別をなさるなど」

と、お叱りになる。

(そういいながら)「今日の尊さ」などと、催馬楽を美声を響かせて謡います。

夜が更けるにつれて、月は素晴らしく明るくなりました。

お二人から「格子の下も外したらいかがですか」と、強く何度も無理を言われるのですが、上達部の位にあるお方であるのに何とも下品に入って来られて居座られるのも、たとえ(内裏でなく)中宮様の私邸であるとしても、恥ずかしい振舞いと思います。若い女房で、物事のけじめを知らない場合は大きな咎めがない場合もあるかもしれませんが、私としては、そのようなふざけた恥ずかしいことはしたくないと思うので、格子の下を外すことはいたしません。


「私は、簡単に男に顔を見せたり、話に応じるような、そんな軽い女ではない」「あなた方もご自分の高い身分を御自覚なさってください」

「自分たちだけが加階の名誉やら報酬増があって、浮かれているけれど・・・私の身内は蚊帳の外・・・それをわかっています?」

紫式部としては、そんな感じだろうか。

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