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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
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またの朝に、内裏の御使ひ、朝霧も晴れぬに参れり。

またの朝に、内裏の御使ひ、朝霧も晴れぬに参れり。うちやすみ過ぐして、見ずなりにけり。今日ぞ初めて削いたてまつらせたまふ。ことさらに行幸の後とて。

 また、その日、宮の家司、別当、おもと人など、職定まりけり。かねても聞かで、ねたきこと多かり。


※内裏の御使ひ、朝霧も晴れぬに参れり;後朝の文を届けた。男女の逢瀬の翌朝、男が女に文を贈る風習があり、その時間は早ければ早いほど、男の愛情が濃いとされていた。

※今日ぞ初めて削いたてまつらせたまふ。ことさらに行幸の後とて。:行幸時には、帝(若宮の実父)に対して、髪を削がない、生まれてからそのままの若宮の姿を見せるべき、という配慮とされている。


※宮の家司、別当、おもと人など、職定まりけり:親王家付きの役人。


行幸の翌朝に、内裏からの勅使が、朝霧も晴れない時間に到着された。

私は、あろうことか寝過ごしてしまい、その様子を見ることができなかった。

今日は、若宮の御髪の毛を、初めてお削ぎさし上げになります。

特に行幸の後にするべき、ということであらかじめ決まっていたことです。

また、当日、若宮の家司、別当、おもと人などの職員が決定となった。

あらかじめ聞いていたわけではないので、何となく不愉快に感じることが多い。


紫式部は、今回の親王家人事について、全く情報もなく部外者だった。

自身の関係者の登用も、全くない。

ただ、自身も実家も「ほのかな期待」があったらしい。

だから、「かねても聞かで、ねたきこと多かり」になる。

「これでは実家に顔向けができない」「そんな軽い立場なのか、私は」

そんな残念と落胆なのだろう。


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