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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
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御簾の中を見わたせば、

(原文)

御簾の中を見わたせば、色聴されたる人びとは、例の青色、赤色の唐衣に地摺の裳、上着は、おしわたして蘇芳の織物なり。

ただ馬の中将ぞ葡萄染めを着てはべりし。

打物どもは、濃き薄き紅葉をこきまぜたるやうにて、中なる衣ども、例のくちなしの濃き薄き、紫苑色、うら青き菊を、もしは三重など、心々なり。


※色聴されたる人びと:禁色を許された女房たち。青色、赤色の織物の唐衣と地摺の裳の着用が女房禁色の基本。

※蘇芳の織物:黒ずんだ紫紅色の染糸で織った布地。紫に次ぐ高貴な色とされていた。

※馬の中将:中宮付女房。

※葡萄染め:縦糸が紅、横糸が紫の織物。

※打物:砧で打って光沢を出した打衣。



(舞夢訳)

御簾の中を見渡しますと、禁色を許された女房たちは、例によって、青色、赤色の織物の唐衣に地摺りの裳、上着は一様に蘇芳色の織物です。

ただ、馬の中将だけは濃い葡萄染を着ていました。

上着の下の打ち物は、濃い紫と淡い紅を混ぜ合わせたようで、その中の袿は、いつもと同じのくちなしの濃いものや薄いもの、紫苑、裏地が青い菊などのと取り合わせ、あるいは、三枚重ねなど、ぞれぞれの思い思いにしています。



紫式部は御簾の中で中宮に直接に奉仕する位の高い女房たち、その服装を記す。

女房たちも、周到に準備した豪華な衣装を着る。

ただ、身分によって使える色も制限されているので、低い身分の紫式部の記述はありのまま、感情をこめていない。


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