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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
52/178

暁に少将の君参りたまへり。

(原文)

暁に少将の君参りたまへり。

もろともに頭けづりなどす。

例の、さいふとも日たけなむと、たゆき心どもはたゆたひて、扇のいとなほなほしきを、また人にいひたる、持て来なむと待ちゐたるに、鼓の音を聞きつけて急ぎ参る、さま悪しき。


※少将の君:紫式部が心を許せる数少ない同僚女房。里下がり(自分の家にいた)けれど、出勤して来た。

※例の:いつもの通り(行事が遅延する)のことを言う。この日の天皇の出発も午前11時と、事実遅延。

※扇のいとなほなほしき:扇が平凡なものであったので。


(舞夢訳)

夜明け前に、少将の君が出勤して来ました。

私たちは、一緒に髪の毛を梳いたりします。

行事や儀式は遅れることが常なので、今回もそうなるだろうと思っていました。

それで、辰の刻と言っても、お昼近くになると思い込み、宮仕えが面倒な私たちは、のんびりっと過ごしておりました。

また、「扇がいかにも平凡なので、他の扇を持って来るようにと、人に頼んであるけれど、早く持って来てくれないかしら」などと、のん気にしていたら鼓の音が聞こえて来ました。

それで帝の行列と察して、慌てて中宮様の御前に参上するので、実に恥ずかしいことでした。



紫式部が語る、自身の珍しい失敗である。

のん気に構えていたら、帝が来てしまった。

それで、大慌てで、中宮様の御前に参上する始末。

恥ずかしくさのあまり赤面する紫式部も、見てみたいと思う。


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