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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
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またの夜、月いとおもしろしく

(原文)

またの夜、月いとおもしろく、ころさへをかしきに、若き人は舟に乗りて遊ぶ。

色々なる折よりも、同じさまにさうぞきたるやうだい、髪のほど、曇りなく見ゆ。

小大輔、源式部、宮城の侍従、五節の弁、右近、小兵衛、小衛門、馬、やすらひ、伊勢人など、端近くゐたるを、左宰相中将、殿の中将の君、誘ひ出でたまひて、右宰相中将に棹ささせて、舟に乗せたまふ。

片へはすべりとどまりて、さすがにうらやましくやあらむ、見出だしつつゐたり。

いと白き庭に、月の光りあひたる、やうだいかたちもをかしきやうなる。


(舞夢訳)

次の日の夜は、月がとても素晴らしいうえに、季節も風雅にあふれているので、若い女房たちは、舟に乗って遊びます。

装束は、いつもの色とりどりに着ている時よりも、同じ白一色にしている時のほうが、その姿や髪の様子がはっきりとなります。

小大輔、源式部、宮城の侍従、五節の弁、右近、小兵衛、小衛門、馬、やすらひ、伊勢人など、端近くに座っていた女房たちを、左宰相中将と殿の中将の君がお誘い出されて、右宰相中将に棹を操らせて、舟にお乗せになります。

誘われた女房たちの中には、お誘いをすり抜けて御殿に残った人もいるのですが、やはりさすがに、うらやましく思ったのか、池のほうに目を向けています。

真っ白な庭に、月の光を浴びた女房たちの姿も、実に風情があるのです。


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