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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
38/178

上達部、座を立ちて、

(原文)

上達部、座を立ちて、御橋の上にまゐりたまふ。

殿をはじめたてまつりて、うちたまふ。

上の争ひ、いとまさなし。

歌どもあり。

 「女房、盃」

などある折、いかがはいふべきなど、口ぐち思ひ心みる。


めづらしき光 さしそふさかづきは もちながらこそ 千代もめぐらめ


※御橋:渡り廊下の橋。

:遊戯双六の一種。二個の賽を筒に入れて振り出し、出た目を競う遊びで賞品をかける。

※上の争ひ:の賞品は紙。それと身分の高いかみをかけている。

※「女房、盃」:「女房たちは、盃を受けて歌を詠みなさい」の略。


(舞夢訳)

上達部は席をお立ちになり、渡り廊下の橋の上に、お移りになりました。

道長様をはじめとして、双六の遊びをなされるようです。

それにしても、「お上」が「紙」を掛けての勝負など、いかがなものでしょうか。

和歌の趣向もあります。

「女房たちは、盃を」(女房たちは、盃を受けて歌を詠みなさい)と言われるかもしれないので、それぞれが考えて口ずさんでいます。


私(紫式部)としては、


見事な月の光に加え、皇子様という新しい光が加えられた、晴れがましい盃でありますので、今宵の素晴らしい満月さながらに、欠けることなく、永遠にめぐり続けることでありましょう。


皇子誕生を祝う道長主催の宴会が進み、双六遊びや、和歌の趣向など、打ち解けた雰囲気を記述する。

尚、紫式部の歌は、文才に優れた彼女なので、おそらく事前に準備していたと思われるが、実際には披露はされなかったようだ。

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