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紫式部日記 舞夢訳  作者: 舞夢
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舞姫どもの、いかに苦しからむと見ゆるに、

舞姫どもの、いかに苦しからむと見ゆるに、尾張守のぞ、心地悪しがりて往ぬる、夢のやうに見ゆるものかな。こと果てて下りさせたまひぬ。

 このごろの君達は、ただ五節所のをかしきことを語る。

 「簾の端、帽額さへ心々にかはりて、出でゐたる頭つき、もてなすけはひなどさへ、さらにかよはず、さまざまになむある。」

と、聞きにくく語る。



(さて、)当の舞姫たちは、どれほど(緊張で)苦しかろうと心配してみていると、尾張守の(舞姫)が気分を悪くして引き下がってしまいますが、それが夢のように(それが本当に起こるのか)と見えています。

中宮様は、儀式が終了した時点で、退出なされました。


今日の君達は、もっぱら五節所の雰囲気の面白さについて話題にしています。

「簾の端から、帽額にいたるまで、それぞれ趣味が異なり、端近くに座る女房達の髪型や動き方まで、色々違って様々です」などと聞くに堪えないことを話しています。


舞姫に選ばれた名誉よりも、帝や中宮、その他衆人環視の中でのリハーサル、その心労を心配する紫式部である。

案の定、気分を悪くして、引き下がる舞姫も出ている。

その一方、君達は、のん気に儀式よりは女房鑑賞である。

紫式部のため息が聞こえて来そうな記述である。

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