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となりの中学の合唱部

ひとたらし 合唱部の面々

合唱部の先生と生徒たちの日常。先生や先輩たちの魅力を表現できたらいいな!

「おはよう~!今日、調子どう~?」

「いや、高音が出なくて困ってる~。」

「声って練習すれば高くなるものなのかな?」

「それが分かれば悩まないよね。」

中学生は身長が伸びる時期・・・ってことは

声帯もひそかに変化していることは想像に難くない。

ソプラノは主旋律が多いので

楽というか

正統派で歌っているような気がして

一度ソプラノに属したら

今からメゾソプラノとか

アルトに移動するのは

気が引けた

それはメゾソプラノとかアルトに失礼なお話であるが

まだまだ子供で

変なところにコダワリのあるエイコは

高音が出ないことにいら立っていた。


でも、コンクールに向けて

顧問のケイ先生は

「君はメゾソプラノね」と

何の斟酌もなく

ぱっぱと分類した。


エイコはがっかりした。

本当言うと

ソプラノにこだわるのは

ソプラノの自然発生的リーダーのタカコ先輩が好きで

その仲間から外れるのが寂しかったのだ。


「タカコ先輩は私のこと『頑張ってるね』って、ほめてくれたの。

だから、練習頑張りたいの。」


週3日だったはずの合唱部の練習日が

いつの間にかほぼ毎日となり、

何の説明もないまま

部活三昧で帰ってくる娘に

母親は

「そんな、先輩ったって、中学生でしょ。

部活もいいけど、勉強もしないと大変よ。」

と、あきれるのだった。


顧問のケイ先生は音楽の先生で

学校に2つもある音楽室を仕切っていた。


グランドピアノが各音楽室に1台ずつあって、

合唱台も完備

当然指揮者のお立ち台も譜面台も完備

足踏み式のオルガンもたくさんあって

各教室に1台ずつ足踏み式オルガンが設置されていた?

音楽室の近隣の教室にパートごとに分かれて、

音取りをやってから音楽室に戻って

合唱練習をしていた。


ケイ先生は口調はまじめだが、

どこかしら言い回しに諧謔味があり

歌唱指導なんだけど

ちょっと漫才を聞いているような楽しさがあった。


わら半紙に印刷した課題曲の楽譜を

子供たちにまとめさせて配布すると

「はい、歌い方の『気持ち』を説明するから

赤ペンで書きこんでね!」と

「おおきく!」

「もっとおおきく!」

とか

活舌をはっきりさせたいらしいときには

「しゃべれ!」

とか

子供にわかる言葉を書き込ませた。


指揮の振り方も的確で

なんだかかっこよくて

しかもコミカルで

こうあってほしいという感覚を

体全体で表現する

ある種自信にあふれた人だった。


タカコ先輩は中学3年生で

2年生も1年生もかわいがる

面倒見のいいお姉さん的先輩だった。

みんなで頑張ろうね!というオーラが言葉にも態度にも

あふれていた。


ある日ケイ先生は

課題曲の混声バージョンを配布した。


女子しかいないと思っていたら、

いつの間にか数人の男子生徒が合唱台の反対側に並んでいた。


というわけで、

エイコの数日間のメゾソプラノ島流しはここに終了し、

エイコはあこがれのタカコ先輩のソプラノに戻ることができた。

メゾソプラノというパートが消滅したためである。


ソプラノに戻ったからには

エイコは真剣に高音に取り組んだ。


ケイ先生は「喉で歌うな腹筋で歌えー!」

とか、「どすこいっ!って、四股を踏む感じ!

実際やってみなっ!重い荷物を持ち上げる感じっ!」

と、例によっておもろいたとえを繰り出し繰り出し、

生徒たちを鼓舞して高音を練習させた。


「頭に響かせるんだ、

頭のてっぺんから声を出す感じ!」


「声は前に出すんじゃないんだ!

後ろから響かせるんだ、

首の後ろ

頭の後ろから

ふわっと」


「苦しくなったら顎を挙げるんじゃなくて、むしろ引いて」


いろんなことを手を変え品を変え

ああでもないこうでもないと表現し

掛け声をかける。


「喉は舌を下げて、アクビをするような。

ふぉあぁーぁー。手鏡あったら喉のぞいてみ!」


というわけで、合唱部の子供たちはいつの間にかマイ手鏡をもっていた。


そして、「でないー!でないー!・・・でたー!」

とか

なんのことやら

考えようによったら

おいおい・・・というようなセリフが

あいさつ代わりに流行った。

意味わかんない人は、わかんないままがいいと思うよー。


そんな感じで

秋の合唱コンクールへ向けて

ケイ先生と合唱部の子供たちの練習の日々は

始まったのであった!


(つづく?つづかない?どっち?)















合唱部の先生の声を出すコツシリーズになってしまった!

声の出し方は人ぞれぞれですから、無理にまねをしないことをお勧めします。

声が出ない時には、無理をせず、喉を休めることも大切です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しげな雰囲気と、その年齢ならでわのかわいい憧れ、わかります( *´艸`) 先輩って、オトナにみえますよね!
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