事例7 架空『一式陸上攻撃機二二型』 (120番5号爆弾 搭載型)
『怪獣大戦1941 ~ 戦艦大和、怪獣と激闘す』の第八話『対怪獣 新型兵器』に登場する機体です。
戦艦大和の46cm砲弾を元に開発された1.2トン徹甲爆弾(三式120番5号徹甲爆弾)を無理やり搭載するために、一式陸攻一三型を元に開発された機体です。重たい爆弾を3発も搭載するため、搭載火器・防弾装備・乗員・燃料を限界まで減らしています。
発動機は変わらないので、規則に則れば型式は二三型となるはずですが、史実と同じようになぜか二二型と呼ばれる事になります。
■定数の計算
まずはいつも通り、実機の性能から定数Aを計算します。今回参考にするのは一式陸攻一三型の第948号機(火星15型・推力式単排気管装備)のデータです。
Vz = 459.3km/h = 127.6m/s (高度5450m)
G = 9500kg(偵察正規状態)
N = 1300hp x 2(二速全開 高度6000m)
Nz = 1280hp x2(二速 高度5400m) と推定。
以上の速度、重量、出力から定数Aを計算します。
A = V^3・G/N = 127.6^3 x 9500 / (1280 x 2)
= 7709668
今回の架空機は1.2トン爆弾を3発も搭載するため機体下部が大きく膨れています。このため空気抵抗が大幅に増加します。ただ機銃座などの突起類がなくなるため差し引きで定数Aは1割減としています(適当)。
A = 7709668 x 0.9 = 6938701
■機体重量の推定
次に機体重量を考えてみます。機銃を乗員・機銃座ごと削除、燃料削減する代わりに重い爆弾を積むため機体と爆弾架を強化します。
7.7mm旋回機銃4挺廃止(機銃本体+弾倉・銃架)▲30kg x 4 = ▲120㎏
20mm旋回機銃1挺廃止(機銃本体+弾倉・銃架)▲100kg
乗員削減(7名→4名 座席含む)▲80kg x 3 = ▲240㎏
燃料搭載量削減 ▲ 1000kg
爆弾架・機体強化・整流カバー +800kg
120番5号爆弾 1220kg x 3 = +3660kg
結果、爆装状態で機体重量は偵察正規状態比で+3000kgとなります(適当)。
■最高速度の計算
これで必要なデータは揃いました。
重量:G = 9500kg + 3000kg = 12500kg
出力:Nz = 1280hp x2
定数:A = 6938701
以上を用いて速度Vzを計算します。
Vz^3 = A・Nz/G = 6938701 x (1280 x 2) / 12500
= 1421046
この三乗根をとって速度をだします。
Vz = 112.4 m/s = 405 km/h
燃料をだいぶ減らしていますが、怪獣迎撃の近海用なのでこれで良いと割り切っています。