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事例6 架空『六式飛行魚雷 梅花一型』 (ジェット核弾頭ミサイル)

『蒼海の魔槍グングニル~超高速ロケット魚雷で日本が無双』の最終話『終戦~エピローグ』に登場する機体です。


 名称が梅花となっていますが桜花と同様に特攻兵器ではありません。核弾頭の搭載を視野に入れ桜花をより大型化した機体で、潜特型(イ-400型)から発射するという設定です。史実の桜花に似た機体にドイツのBMW003を国産化したジェットエンジン2基を搭載した構成となっています。


挿絵(By みてみん)


■定数の計算


 今回は今までと違い完全な架空機なのですが、とりあえず史実の桜花43乙型(ネ20搭載)をベースに考えてみる事にしました。


 桜花43乙型

 G = 2600kg (弾頭重量800㎏、ネ20重量470㎏)

 Tz = 472kgf (ネ20x1 静止推力)

 Vz = 555km/h = 154m/s


 以上から定数Kを求めてみます。

 K = Vz^2 x G / Tz

 = 154^2 x 2600 / 475

 = 129814



■機体重量の計算


 次に機体の重量を考えます。核弾頭を搭載するので弾頭重量2tは欲しいところです。そうなると必然的に機体も大型化します。いくらBMW003のコピーでも推力が足らなさそうなのでジェットエンジンを2基搭載する事にしました。


 弾頭重量 2000kg

 エンジン重量 600kg x2 (BMW003相当)


 燃料搭載量については、BMW003の推力・時間あたりの燃料消費量が1.96kg/kgf・h(ミリタリーパワー30分制限)なので、全力でエンジンを回した時のエンジン2基分の燃料消費量Fcは次のようになります。


 Fc = 1.96 x 900kgf x 2基 = 3528kg/h


 本機は使い捨てですから、エンジンは全開で20分強だけ保てばよい。それで燃料搭載量は全力運転時間25分程度として1800Lとしました。


 燃料 1400㎏ = 1800L(軽油換算)


 無人機なので機体は軽めに見積もって、全備重量を出します。


 機体重量 700kg

 全備重量 = 2000 + (600 x 2) + 1400 + 700

 G = 5300kg



■最高速度の計算


 機体が史実の桜花より大型化するので、抗力増加により定数Kは1割減とします(適当)。


 K' = K x 0.9 = 129814 x 0.9 = 116833

 G = 5300kg

 T = 900kgf x 2 =1800 kgf (BMW003相当 x 2基)


 以上より最高速度を計算します。


 V^2 = K’ x T / G

 = 116833 x 1800 / 5300

 = 39679


 V = 199.2m/s = 717.1km/h



■航続距離の計算


 突入時は燃料がほとんど無くなっているので機体が軽くなります。それに合わせて速度も変わります。


 G' = 5300 - 燃料消費分 ▲1300㎏

 = 4000kg


 V'^2 = K’ x T / G'

 = 116833 x 1800 / 4000

 = 52575


 V' = 229.3m/s = 825.5km/h


 この平均速度と燃料消費時間から航続距離Rを出します。少しだけ余裕を見て飛行時間は22分とします。


 R = (825.5kmph - 717.1kmph)/2 x 22分 / 60分

 = 280km



 というわけで梅花は、2tの弾頭を抱えて280km先の目標へ終末速度800km/h以上で突入するシロモノになりました。


 CEPは戦後のレギュラスミサイルの性能(500海里で2.5海里、電波誘導時)を参考に比例計算して、4.6 x 280 / 925 = 半径1.4km としました。




 後から考えたら、機体規模からみて定数Kは史実の桜花でなく火龍(重量7000kg)や橘花(同3600㎏)、レギュラス(同4670kg)をベースに計算した方が良かったかもしれません。それだと速度はもっと高くなるはずです。


 試しに定数として火龍と橘花の間くらいの数字をとると、速度は900km/h前後、航続距離も300km以上になりました。こちらの性能にした方が良かったかもしれません。

とりあえず今回で事例紹介は終了となります。


今後も作中で架空機を出すことが有れば、またこちらで紹介するかもしれません。

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