事例4 架空『三式双発襲撃機』 (キ-48Ⅱ地上襲撃機型)
『蒼海の魔槍~超高速ロケット魚雷で日本が無双』の第十四話『第九回御前会議』に登場する機体です。
ドイツとの交流が復活し、ソ連戦車の脅威に対抗するためヘンシェル Hs 129に影響を受けて開発された機体という設定です。
爆装と翼内燃料タンクを廃止し、乗員1名を削減する代わりに、海式25mm機関砲(タングステンAP弾使用)、機体下面と操縦席周辺に装甲を施しています。
■定数の計算
まずはいつも通り、史実キ-48Ⅱの性能から定数Aを計算します。
Vz = 505km/h = 140.3m/s (高度5600m)
G = 6750kg(乾燥重量 4550kg/全備重量 6750kg)
N = 980hp x 2(二速全開 高度6000m)
Nz = 950hp x2(二速 高度5600m) と推定。
この速度、重量、出力から定数Aを計算します。
A = V^3・G/N = 140.3^3 x 6750 / 950x2
= 9811224
機体形状があまり変わらないので定数Aはそのままとします。
■機体重量の推定
次に三式襲撃機の機体重量を考えてみます。爆装・翼内燃料タンクを廃止し、装甲・25mm機関砲・胴体燃料タンクを追加します。
翼内タンク廃止、胴体防弾タンク追加→燃料▲500L = ▲380㎏
胴体内 防弾タンク増設 +100㎏
装甲板 12mm x 8m2相当追加(胴体下面、操縦席回り)+750kg
装甲化に伴う機体強化 +200㎏
爆弾廃止 ▲500kg
八九式旋回機関銃 3丁 → 1丁 ▲60kg
25mm機関砲 x 2 +450kg(砲本体+予備弾倉)
乗員2名削減 ▲160kg(座席類含む)
結果、全体で機体重量は+400kgとなります(適当)。
■最高速度の計算
G = 6750kg + 400kg = 7150kg
Nz = 950hp x2
A = 9811224
以上を用いて最高速度を計算します。
Vz^3 = A・Nz/G = 9811224 x (950 x 2) / 7150
= 2607178
この三乗根をとって速度をだします。
Vz = 137.6 m/s = 495 km/h
燃料を減らしているので航続距離は短いですが、戦場が狭く前線飛行場から運用するからと割り切っています。
かなり機体重量があるので機動性は良くありません。ただし25mm機関砲の反動はかなり強いはずなので、射撃時の機体の座りは良いかもしれません。弾倉交換は大変でしょうが……
次回は、架空『桜花二型』(V-1改良型)です。ジェット機の場合の速度計算となります。