事例3 架空『九九式B号戦闘機二二/三三型』 (F2Aバッファロー 日本海軍版 その2)
『日の丸バッファロー ~ 野牛は日本にドナドナされました』に登場する機体です。
前話の一一型のエンジンをR1820から金星に換装した設定です(二二型:金星42型、三三型:金星54型)。
■二二型の計算条件の設定(エンジン出力・機体重量・定数)
まずはエンジンを金星42型に換装した二二型から。
エンジン変更と機体・武装強化で重量が増加します。ここでは一一型比で+140kgと見ています(適当)。また直径の小さなエンジンで機首が絞られる事で空力が向上するので、F2A比で10%アップとしました(超適当)。
N=1000hp (高度5000m)
G=2340kg(一一型比+140kg)
A=6488370 x 1.10 = 7137207(F2A比で空力が10%向上と仮定)
■二二型の最高速度の計算
以上の値を使って最高速度を計算します。
Vz^3 = A・Nz/G = 7137207 x 1080 / 2340
= 3050088
Vz = 145.0m/s = 522km/h
■三三型の計算条件の設定(エンジン出力・機体重量・定数)
次にエンジンを金星54型に換装した三三型を計算します。
エンジン変更による重量増加と着艦フック削除による減少で、重量は+80kgとしています(適当)。また、三菱の努力で空力アップ、プロペラ効率アップで、F2A比で15%アップとしました(超適当)。
N=1100hp (高度6200m)
G=2420kg(二二型比+80kg)
A=6488370 x 1.15 = 7461626(F2A比で空力が15%向上と仮定)
■三三型の最高速度の計算
Vz^3 = A・Nz/G = 7461626 x 1100 / 2420
= 3391648
Vz = 15.2m/s = 541km/h
本機は推力式排気管を備えています。史実では20km/h前後の速度上昇効果があったとされていますので、ここでは+15km/hとしています(適当)
V = Vz + 15km/h (推力式排気管効果)= 556 km/h
■おまけ 同時代の機体と比較(零戦・隼)
では、一一型と同じく三三型を同時期の機体と比べてみましょう。
これを小さい順に並べると、こうなります。
翼面荷重:B号三三型< 一式戦Ⅲ型 < 零戦52型
馬力荷重:B号三三型< 一式戦Ⅲ型 < 零戦52型
相変わらず速度は遅いですが、隼や零戦より小回りが効いて加速の良い機体になりました。特に馬力荷重が小さいので加速や上昇率は恐ろしい事になりそうです。中低空では相手にしたくない機体ですね。
一式戦Ⅲ型は馬力荷重こそ劣りますが、B号三三型に似た感じです。戦後に上坊良太郎大尉が「Ⅲ型なら(P-51にも)負けない」とおっしゃったのも頷けます。
逆に零戦52型の鈍くささが目立ちます。史実のF2A-3と同じく、エンジンが大して強化されず機体だけ肥大化した戦闘機がパッとしなかったのも分かります。
次回は、架空『三式双発襲撃機』 (キ-48Ⅱ地上襲撃機型)です。