事例1 架空『二式艦上偵察機』 DB605A搭載型
『蒼海の魔槍~超高速ロケット魚雷で日本が無双』の第二十一話『奢者必不久』に登場する機体です。
架空機としては非常に単純で、史実のアツタ二一型エンジンをDB605AのMW50(水メタノール噴射)装備型に換装しただけの機体です。
■定数の計算
まずは史実の二式艦偵一一型(アツタ二一型搭載)の性能から定数Aを計算します。速度はkm/hでなくm/sである事に注意してください。
V=533km/h = 148m/s (高度3000m)
G=3870kg (自重2440kg + 機材・燃料・乗員分1430㎏)
N=1010hp (高度1500m)、970hp(高度4500m)
速度が高度3000mの値なので、エンジン出力も高度3000mで990hpと推定します。日本軍機の場合、速度は全備状態(燃料弾薬を満載状態)で測定されていました。この出力と重量で定数Aを計算してみます。
A = V^3・G/N = 148^3 x 3870 / 990
= 12672459
■計算条件の設定(機体重量・エンジン出力・定数)
次にエンジンをDB605Aに換装した場合の重量を試算してみます。
ここでは、エンジンの重量差(アツタ二一型:655kg/DB605A:730kg)に補機、機体補強、MW50(水メタノール噴射)の増加を加味して、一一型比で+250kgと見ています。史実の彗星一二型より少し重いくらいなので、こんなものでしょう(適当)。
G=4120kg (自重2690kg + 機材・燃料・乗員分1430㎏)
N=1677hp (4000m MW50使用)
高度が1000mあがる事と、日本で運用するから性能が低下するかもと考えて、私は定数Aをマイナス5%としました。この辺りは望みの性能値を出すだけの屁理屈なので、そのままの値で良かったかもしれません(超適当)。
A'=12672459 x 0.95 = 12038836
■最高速度の計算
以上の数値を用いて、エンジン換装後の速度を計算します。
Vz^3 = A'・Nz/G = 12038836 x 1677 / 4120
= 4900274
上記は速度の三乗になってますから、その三乗根を求めて速度を出します。
Vz = 169.8m/s = 611km/h
以上で計算終了です。簡単ですよね!
次回は、架空『九九式B号戦闘機一一型』 (F2Aバッファロー 日本海軍版 その1)です。




