肉祭り
見つけてくださり、ありがとうございます✨
ロウ達5人が呆然としているところへノトがやって来た。
「お帰り!皆が無事で良かったよ。 ん? どうしたの?」
「‥‥‥‥‥ノト、聴いたぞ。結婚するんだって?」
「あの娘だろ?」
「くそ~~ずりぃよ、あんな可愛い娘」
「俺らも早く見つけないとな」
「だよな~~」
「ははは、うん、皆も頑張って。村の皆がご馳走を用意してるから一緒に食べよう?」
「お前、余裕だな」
「まぁお祝いしてやるよ、良かったな」
「ありがとう」
「ちょうど良かったよなぁ、1頭解体しておいて」
「あぁ、そうだな、俺達からの祝いで1頭丸々やるから焼いて食ってくれ」
「村の衆に頼めば準備してくれると思うしな」
「1頭ってサベッジボア?」
「おぅ小さい方だけどな。食いではあるぞ」
「よし!焼き肉の準備を頼んでくる」
そう言うとロウは魔法の鞄を抱えて、広場で用意をしている村人達の元へと向かった。
「ロウは食う気満々だな」
「ロウだけじゃないよ、俺だって腹減ってるから食うよ」
「俺だってそうだ」
「皆がって事だね。僕も楽しみだよ。あのさ、焼き肉の前に櫓の部屋をちょっと借りるよ」
「何かあるのか?ノト」
「今日はナズナ村に泊まるから師匠に手紙を書くんだよ」
「そうか、俺も報告書を書いて送らないといけないから、一緒にいいか?」
「勿論だよレイ。報告書はいつもレイが書くの?」
「まぁな、皆、俺に押し付ける」
「はははは、いつも悪いなレイ。‥‥‥あー、俺達も焼き肉の手伝いをしてくるよ」
「そうだね、手伝わないとね」
「うんうん」
コウ、ウルサ、ヴァルの3人はばつが悪い顔をしてロウの後を追った。
「彼奴らはいつもこうなんだ。面倒臭い事は俺に押し付けるんだ‥‥‥ったく」
「5人の中でレイが1番きっちりしてるし、常識があるから仕方無いんじゃないかな?」
「‥‥‥‥‥分かってるさ。彼奴らに任せたら、かえって面倒臭い事になるしな。分かってはいるんだ」
「ふふ、お疲れ様レイ。皆も感謝していると思うよ」
「どうだかな」
「じゃあさ、書いちゃおうよ、さっさとさ。そしてご馳走を食べよう?」
「そうだな、そうしよう」
2人は櫓の部屋へ向かい、各々書き始めた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥。
「よし!出来た。梟便を呼ぼう」
「ノトは終わったのか、俺はまだまだ‥‥‥」
「報告書ってそんなに大変なの?」
「誰のせいだと思ってる」
「は?」
「ノト、お前のせいなんだぞ」
「えぇっ、何故?」
「村を囲む石壁、物見櫓、結界の魔道具‥‥‥こんな小さな村が持ってる物じゃないんだぞ普通はな。領都並の防備なんだぞ、分かってるか?」
「ははは、そうだね。改めて考えると」
「だから、報告させてもらう。領主様も心配事が1つ減って嬉しいだろうからな」
「うん、そうだね」
「ノトがこの村の娘と結婚する事になって良かったよ」
「急にどうしたの?」
「これだけの防備をただでやってくれるなんて知られたら、大変な事になるだろ?彼方此方から声が掛かって引っ張りだこだぞ」
「そうだね‥‥‥そこまで考えなかったよ」
「これから自分が住む村の為にって言えるから良かったな」
「うん、本当にそうだね、良かったよ」
「俺ももう少しで終わるから、梟便を呼んでくれるか?」
「うん、わかった」
ノトは外に出て、空に向かって呼び掛けた。
程無く、静かな羽音で梟が飛んで来た。
梟はノトが差し出した腕にそっと留まると顔を近付けて小さな声で話した。
「ノトさんこんにちは、お手紙ですか?」
「そうだけど、何故小さな声なの?」
つられてノトも小さな声で話す。
「我々梟便や隼便は人族や獣人族、ドワーフやエルフの一般の者達の前では話しません。話すのはベリル様やドワーフ王など極一部の方々の前でだけです」
「何故?」
「我々が話せると悪用する者や困る者達がいるんですよ。なので、普通は話せない振りをしているんです。ですから、その様にお願い致しますよ」
「わかったよ、任せて」
「おぉーいノト、梟便は来たか?」
「うん、もういるよ。今、行くね」
「宜しく。俺も終わった」
ノトは梟を腕に乗せたまま部屋へと向かった。
先にノトが手紙を鞄に入れて、ポケットに銀貨を入れる。
「森の家に住む、魔法使いリルベ様までお願い」
梟は頷く。
続けてレイも手紙を鞄に入れて、ポケットに銀貨を入れた。
「俺の方は、ヨーツに居る『ローゼンタール傭兵団』のシュルツ団長まで頼む」
梟はレイを見て頷くと翼を拡げ、静かに窓から飛び立っていった。
「これでひと安心」
「俺達も焼き肉を食いに行こうぜ」
「そうだね、楽しみだよ」
ノトとレイが広場に行くと、既にたくさんの肉が焼かれていた。
鉄板の上や串に刺されて焼かれた肉はどれもいい匂いがして美味しそうだった。
ロウ達と子ども達が我先にと頬張っている。
「はぁ~~~彼奴ら子どもと同じレベルだよな」
「みたいだね、変わってないね」
「外見はでかくなっても、中身はまだまだ‥‥‥」
「レイが大変だっていうのは良くわかった。頑張って」
「はぁ~~俺達も食うぞ」
「うん、食べよう」
ノトとレイも加わり、広場は更に賑やかになった。
◇ ◇
∗ ∗ ノトが出発した後の森の家 ∗ ∗
「そう言えば今更だけど、昨夜ロータスは帰って来なかったわね」
「そうだな、すっかり忘れてたけど」
「あぁすまない、昨夜ロータスから暫く帰らないと連絡があったよ」
「そうだったんですか、それならば良かったです。忘れていてあれだけど‥‥」
「まぁ、ロータスは魔物だし、心配は要らないと思うよ。ああ見えて結構強いし」
「そうですよね。城の警備を任されていたんですもの」
「そうだね」
「あの、ベリル様、今日は自分も情報収集に出掛けてきます。アルフヘイムに行って、ついでに猫の国も行ってきます」
「そうか、アルフヘイムと猫の国に‥‥‥‥‥では今夜は帰って来ないかな?」
「そうですね帰らないと思います」
‥‥‥‥‥え?今何と? アルフヘイム?って妖精の国? よね? 妖精の国! 小さくて羽が生えてるあの妖精よね? よね?
「ア、アルフヘイムって何処にあるの?魔の森?」
「ん?なんて言うかなぁ‥‥‥入り口は魔の森にあるって感じかな」
「入り口?」
「そう、虹を飛び越えて、フェアリーリングに飛び込むんだよ」
「 ? 虹を飛び越えて、フェアリーリングに飛び込む?」
「そうそう」
「えっと‥‥‥お父様‥‥‥」
「はははクリムゾンの説明では分かりにくいかな。アルフヘイムはね、少し次元が違うところにあるんだよ。その入り口が魔の森にあるんだ」
「次元が違う?」
「そう、この世界とはちょっと違う。アルフヘイムからは此処とは違う世界へも行けるみたいだから、出口を間違えると戻って来れないからとても危険なんだよ。決して1人では行ってはいけないよ?」
「そんなに危険なんですか‥‥‥クリムゾンはちゃんと帰って来れるの?」
「当たり前だろ?俺は猫妖精---ケット・シーだぜ?」
「そっか‥‥‥猫の国はアルフヘイムの中にあるの?」
「いや、中にはない。途中で道が分かれるんだよ」
「道?」
「うん、今度連れて行ってやろうか?」
「いいの?」
「ベリル様の許可が出ればな」
ローズはチラッとベリルの顔を見る。
ベリルは笑って言った。
「絶対にクリムゾンから離れないと約束出来ればいいよ」
「本当ですか?」
「勿論。今度連れて行ってもらうといい。頼んでもいいかい?クリムゾン」
「はい、喜んで!」
「とりあえず、今日は見送るんだよローズ。行くのは今度ね」
「はい、楽しみにしています」
「じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい、気を付けてね~」
「猫の王に宜しく」
「はい!」
元気に返事をすると、クリムゾンは森の方へ駆けていった。
「ローズ、今日は午前中は畑仕事を頼むよ。魔法の確認と練習は午後からね」
「はい、わかりました。お父様は何かご用でも?」
「あぁ、工房で薬作りを少々‥‥‥」
「そうですか、わかりました」
ローズは畑へ、ベリルは地下の製薬工房へと向かった。
読んでくださり、ありがとうございます✨
またおつきあいくださると嬉しいです。
皆さんに良いことがありますように✨
:*(〃∇〃人)*:




