結界を張る魔道具
明けましておめでとうございます✨
今年も宜しくお願い致します。
ローズと共に異世界生活を楽しんでくださると嬉しいです。
-----カチャカチャ---カチャ---
「よしっ、これで片付けお仕舞い。手伝いありがとうねぇ」
「どういたしましてだぞ」
クリムゾンはケット・シーの姿でエプロンを着けていて、とても可愛らしく絵本の中の登場人物のようであった。
ローズは時々クリムゾンを見てはニッコリと微笑んでいた。
夕食の片付けを終わらせるとローズとクリムゾンは居間へと向かった。
居間ではベリルが本を読んでいる。
「お疲れ様」
「クリムゾンが手伝ってくれたので楽々でした」
「そうか、ありがとうクリムゾン」
「た、たいした事ではありませんです」
「クリムゾン、話し方が変よ~~」
「笑うなよなぁ」
「ふふふふ」
「ノトは帰って来るかね‥‥‥」
「そうですね、お泊まりかも?」
「兎の姉ちゃんのとこか‥‥‥」
「ユゥナさんね」
3人でそんな話をしていると、急にベリルが庭の方を見つめた。
「どうやら帰って来た様だよ。ローズ、お茶の用意を頼む」
「はい」
ローズが台所に向かうと、ちょうどノトが息を切らして玄関の扉から入って来た。
ハァハァと肩が上下に揺れている。
「お帰りノト。そんなに慌てた様子でどうしたんだい?」
「だ、旦那様‥‥‥相談したいことが‥‥‥」
「ふむ、相談‥‥‥まぁとりあえず座りなさい」
「はい」
ノトが座るとローズがお茶を持ってきてテーブルに置いた。
「お帰りなさいノト。夕食は食べた?」
「うん、食べたよ大丈夫」
「とりあえずお茶でも飲んで」
「うん、ありがとう」
ノトがお茶を飲むのを皆で見つめる。
「ふぅ~~少し落ち着いた。‥‥‥旦那様、皆、僕の話を聴いて何か助言をしてください」
「「「 助言? 」」」
「そうです」
ノトは朝家を出てからの出来事を話し始めた。
ホンベルクでの事は簡単に、ナズナ村での事を詳しく話した。
「なるほどね、魔獣が彷徨いているのか‥‥‥それは心配だね」
「はい、傭兵団からの派遣があって助かりました。他に何か出来ないでしょうか?」
「ん‥‥‥‥‥壁や櫓を造って‥‥‥魔獣除けも撒いた‥‥‥見張りもいる。とりあえずはそれで十分だと思うよ。魔獣の数はどのくらいなんだい?」
「猪の魔物---サベッジ・ボア---ですが、彷徨いているのは大きいのが1頭、小さいのが10数頭との事です。数日前に大きいのが1頭と小さいのが2頭倒されたそうで、同じ群れのようです」
「そうか‥‥‥ノトの幼馴染みの彼等は強いのだろう?ならば、そのくらいの数は大丈夫じゃないかな?」
「確かにそうなんですが‥‥‥」
「お父様、大事な人が住んでいる村ですもの。心配なのは仕方ないと思いますよ?」
「‥‥‥‥‥ふむ。‥‥‥‥‥‥おぉそうだ、あれがあった。あれならば役に立つ」
ベリルは空間収納に手を入れガサゴソと何やら取り出しテーブルに並べた。
ランタンの様な形の物が4つ、中には薄い青色の魔石が入っている。
魔石の下には何やら紋様が描かれており、よく見るとそれは小さな魔方陣であった。
「お父様これは?」
「これはね、結界を張る魔道具だよ。張りたい場所の四隅に設置して、魔石に魔力を流して発動させるんだ。メルランで作られた物で、初期に作られた試作品だけどちゃんと結界を張れる筈だから、これをナズナ村に設置するといい」
「旦那様‥‥‥これをいただいて良いのですか?」
「あぁ勿論。私が持っていても使う事はないだろう。貰い物だから気にしないでいいよ」
「ありがとうございます!感謝します!じゃあ早速」
「待ちなさい。今から行く気かい?」
「‥‥‥はい」
「もう外は暗いんだよ?無事に行けたとして、設置は難しいだろうから諦めなさい」
「‥‥‥‥‥」
「気持ちは分かるが明日の朝早くにしなさい。いいね?」
「‥‥‥‥‥わかりました。夜明けに出ます」
「‥‥‥仕方ないね、そうしなさい。では、この魔石に魔力を補充しなければ‥‥‥ほぼ空だと思うからね。ノトは顔色が悪いからもう休みなさい。ローズとクリムゾン、頼んだよ」
「はい勿論」
「はい自分も頑張ります」
「え?でも、僕も大丈夫ですよ?」
「君は駄目だ。明日早いのだから、ローズ達に任せてもう寝なさい」
「‥‥‥わかりました。ありがとうございます。ローズ、クリムゾン宜しく頼むね」
「うん、任せて」
「おぅ」
ノトは頭を下げると自室へと向かった。
かなり疲れていたのだろう‥‥‥自室に戻ると、ベッドに倒れ込んでそのまま眠ってしまった。
ローズとクリムゾンは魔道具の側に移動して来ると、中を覗き込んだ。
「魔石を取り出して魔力を注ぎ込んでごらん?少しずつだよ。色が濃くなってきたら注ぐのを止めるんだよ」
「「 はいっ 」」
ローズとクリムゾンは1つずつ手に取ると自らの魔力を注いでいった。
徐々に薄い青色の魔石が濃い青色に変わっていく。
「もういいですか?」
「どれ?うん、いいよ。次にいこう」
ローズは2つ目を手に取るとまた魔力を注ぎ始めた。
「ローズは2つ目か‥‥‥俺は‥‥よしっ出来た。ベリル様どうですか?」
「うん、クリムゾンもいいよ。あと1つは、ローズに任せていいよ。これも魔法の練習の一環だ。これくらい簡単に出来なくてはね」
「はい。ローズ宜しく」
「えぇ任せて。これももういいかな?残り1つ」
ローズは2つ目の魔石も濃い青色に変えると、3つ目の魔石を手に取った。
すぐに3つ目も濃い青色になり、魔力を注ぐのを止めた。
「出来ました」
「うん、良いだろう。これを何か袋に入れておいてくれるかい?明日、設置したら魔石を中に置いて魔力を流せば結界が張れる筈だ」
「村の四隅に置くんですね?」
「そうだよ。結界で村が護られていれば、傭兵の彼等は魔獣を倒す事に集中出来るだろう」
「そうすればノトも安心ですね」
「ですね」
「私達ももう休もうか」
「そうですね」
「じゃあ、お休み」
「「 お休みなさい 」」
テーブルの上にランタンみたいな魔道具を4つ、魔石が入っている袋を1つ置いて、3人は自室へと向かった。
クリムゾンはベッドに潜るとすぐに寝息をたて始める。
ローズはベッドに腰掛けたまま、暫く考え込んでいた。
‥‥‥‥‥魔石に魔力を注ぐのって色が変わって面白い。またやりたいな。 それにしても、お父様の空間収納ってアレみたい。〇次元ポケット‥‥‥。いろんな物が出てくるものね。他には何が入っているのかしら?見てみたいわね。‥‥‥やっぱり、金銀財宝なのかしら?
「ん~~~むにゃんむにゃん‥‥‥」
‥‥‥‥‥クリムゾンの寝言って可愛い。私ももう寝ようっと。
ローズも潜り込むとあっという間に眠りに落ちた。
∗ ∗ 翌朝 ∗ ∗
夜が明けるとノトは魔道具と魔石の入った袋を大切に魔法の鞄に仕舞い、箒に跨がった。
見送ったのはベリルだけで、ローズとクリムゾンはまだ眠っている。
「ノト、気を付けて行くんだよ。魔道具の使い方は大丈夫だね?」
「はい、旦那様、先ほど教わった様に使います」
「何かあったら、梟便を飛ばしなさい。いいね?」
「はい、そうします。では、行ってきます」
「行っておいで」
ノトはナズナ村へと飛んでいった。
読んでくださり、ありがとうございます✨
また、おつきあいくださると嬉しいです。
皆さんに良いことがありますように✨
:*(〃∇〃人)*:




