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ヨーツへ

見つけてくださり、ありがとうございます✨

PV、評価、ブックマーク、大変励みになっております✨


 「もう少しの辛抱だ。もう少しで森を抜ける」


 ギルバートは周りを見回して声をかける。

 救出した者達だけではなく、冒険者達も皆疲労の色が見える。

 ‥‥‥‥‥森を出たら野営をして、明日の朝早くにヨーツに向かったほうがいいかな。街道沿いならば、本来は魔物も弱いものしかいないはずだろうし、国境警備隊が捜索した後だから大丈夫だろう。



 討伐隊一行は森を抜けた後、南北街道沿いの草地で野営の準備を始めた。辺りは薄暗くなってきている。

 森を抜けたからか、皆の表情は明るい。

 火をおこし食事の支度を始める者や寝床の準備を始める者、それらを手伝う者など各々動いている。

 その光景を見たギルバートは安心した表情で彼等から離れ、誰もいない草むらに佇んだ。

 そして小さな笛を取り出すと空に向かって笛を吹いた。

 

 -----ぴゅーひゅるひゅる---


 暫くすると、何処からともなく梟が飛んで来て、ギルバートが差し出した腕にとまった。

 梟が提げている鞄に手紙を入れ、小さなポケットには料金分の銀貨を入れた。


 「この手紙をヨーツの国境警備隊の隊長に届けてくれ。頼んだぞ」


 梟は頷き、小さく声をあげるとヨーツの街がある方へ飛んで行った。

 知らせておけば、受け入れの準備をしていてくれるだろう。朝早く着いても問題ない。

 ギルバートはホッとため息をつくと、皆が集まっているもとへ向かった。




 ◇ ◇ ◇




 -----こんこん、こんこん---


 国境警備隊の隊長フォルクスはゴブリン討伐隊として担当地区の捜索の報告書を自室で作成していた。

 何かが窓を叩く音に気が付き、窓を見ると、鞄を提げた梟が此方を見ている。


 ‥‥‥‥‥あれは梟便か? 誰から?


 窓を開けてやるとパタパタと羽音をたてて部屋の中に入ってきた。机の上に乗ると嘴で鞄を開け、中に入っている手紙を見せる。


 「私宛の手紙か?」


 梟は小さく頷いた。


 「配達お疲れ様。返事を書くかもしれないから、待っていてくれるかい?」


 フォルクスはそう言うと鞄から手紙を取り出し、読み始めた。

 梟は大人しく机の上で待っている。


 「なんと、12人もの人がいたのか‥‥‥」


 そう呟くと急いで返事を書き、梟の鞄に入れ料金も入れた。


 「手紙の返事を、ゴブリン討伐隊の隊長ギルバートに渡してくれ。返事は要らないと書いてある」


 梟は頷くと、すっかりと暗くなった夜空へと飛んで行った。


 フォルクスは廊下へ出て声をあげる。


 「おぉーい、マインツ、副隊長ーいるかー?」



 「此処にいますよ、何ですか?」


 1人の男が廊下の角からニュッと現れた。黒髪に緑色の目をした真面目そうな男だ。


 「頼みたい事がある。他にも誰かいないか?」


 「私で良ければ伺いますよ?」


 マインツの後ろから、衛生兵のフロレスも出てきた。金の髪に青い目の優しそうな男だ。


 「ちょうど良かった。フロレスにも頼みたい。2人とも部屋に来てくれ」


 「「 はい 」」


 2人が部屋に入るとすぐにフォルクスは指示を出し始めた。


 「森へ向かった討伐隊から知らせが来た。ゴブリンの巣は始末したが、その際12人の人を救出したそうだ。 マインツは馬車を数台用意し、明日の朝、日が昇る前に迎えに向かってくれ。南北街道沿いの草地で野営しているそうだ」

 「了解しました」

 「フロレスは教会に行ってくれ。救出した人の受け入れの準備を頼む。目立った怪我は無いとのことだが、治癒魔法の使い手の手配と着替えや食事の手配をしてくれ。此処の備蓄から持ち出して構わない」

 「了解しました」


 「2人はそのまま業務終了でいい。明日の為にゆっくり休んでくれ」


 「「 はっ 」」


 マインツとフロレスは部屋を出た後、各々任務を果たしに向かった。

 フォルクスはまた机に向かい、報告書を仕上げた。


 「明日は忙しくなりそうだ」




 ◇ ◇ ◇




 -----バサバサッ、ホーッ、ホーッ---


 「おぉ梟便か。返事を持って来てくれたのか?」


 ギルバートは返事を読み、笑みを浮かべた。


 ‥‥‥‥‥これで安心してヨーツに向かえるな。フォルクスなら万全の準備をしているだろう。


 梟はギルバートの方をチラッと見た後、静かに夜の空を飛んで行った。




  * * 翌 朝 * * 



 日の出の前、起きるように声がかかり野営地は慌ただしくなった。軽く食事を済ませ、日の出の頃にはなんとか出発出来た。


 「ヨーツへ向けて出発だ。途中で迎えの馬車に会えると思う。もう少しだ、頑張ってくれ」


  皆の表情が明るくなった。歩く足取りも軽くなる。


 南北街道から東に向かう街道に入り、暫くしたところで馬車と合流し、全員が馬車に乗り込みヨーツへと向かった。

 馬車は何事もなく進み、朝の静けさの中、ヨーツの城門を通り抜けて行った。そのまま街の外れにある教会へ向かい、救助された者達は治療と浄化、着替えや食事を済ませた。

 討伐隊のメンバーも浄化や食事を済ませ、用意された部屋で寛いでいた。


 後は、救助された彼等から事情を聞いて報告すれば、今回のゴブリン討伐は完了だ。


 ギルバートは心から安堵し、胸を撫で下ろした。


 それは、フォルクスも同じことであった。




読んでくださり、ありがとうございます✨

またおつきあいくださると嬉しいです。

皆さんに良いことがありますように✨

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