討伐隊 ( 1 )
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ローズとケイティがゴブリンに襲われた翌日、領主であるマーホン辺境伯からの命により、ゴブリン討伐隊が派遣された。
経験豊富なベテラン冒険者達は魔の森へ、国境警備隊は南北街道を中心に草原地帯を探索していった。
* * 南北街道近くの草原 * *
「昨日はものすごい数のゴブリンだったな」
「死体を片付けたばかりで、今度は探索と討伐か‥‥‥‥‥ゴブリンはまだいると思うか?」
「昨日も周辺は調べたし、いないと思うがな。まぁ、念のためということだろう」
国境警備隊の隊員達は、話をしながら草原の中にある繁みや低木の周りを丁寧に調べていった。
「いたぞ!!繁みの中にゴブリンが1匹いた!」
「逃がすな!確実に仕留めろ!」
----ザシュッ。
-----ギャーーー。
「周りをよく調べろよ。まだいるかもしれん」
その後も隊員達は範囲を広げて探索したが、新たにゴブリンは見つからなかった。見つかったのはあの1体だけであった。
* * 森の中 * *
ゴブリンが出てきた辺りの森の中では、冒険者達が等間隔に1列に並び、探索を始めていた。見つけ次第に討伐する事になる。
今回の討伐隊には、傭兵達は参加していなかった。東部で起こった暴動の鎮圧に援軍として行く事になったからだ。移住希望者はいくつもの町や村に押し寄せて来ていたので、あちこちで小さなトラブルが起きていたのだ。
魔物の討伐に関しては、傭兵よりも冒険者のほうが慣れている為、何も問題はなかった。傭兵は対人のほうが専門であった。
「この辺りは何も無いな」
「森の中にゴブリンがいて、スケルトンと闘っていたなんて本当なのか?」
「聴いた事ないぞ」
「だよなぁ~」
「そう報告があったらしいから、仕方ないよ」
「確認しないとな」
「それよりも、この奥の岩山の洞窟が巣らしいんだろう?」
「どれくらいの規模だろうな」
「大きくないといいがな」
「‥‥‥おーい、こっちにたくさんのゴブリンの死体があるぞ!かなりの数だ」
「うわ‥‥‥‥‥かなり荒らされているな。魔獣か? 数は分かるのか?」
「おおよその数しか無理だろう」
「だなぁ。で、スケルトンの痕跡はあるか?」
「いや、見当たらないな」
「じゃあ、何に殺られたのか分からないな」
「だなぁ」
「‥‥‥‥‥まぁ、右の耳だけ探して持って帰ろうか。それで数を数えるしかないだろ」
冒険者達はゴブリンの右側の耳を探して切り取り、袋に入れ、残った死体は大きく掘った穴に埋めた。最後に魔法を使える者がこの辺り一帯に浄化魔法をかけた。
浄化魔法をかけておかないと、後々にアンデッドにでもなられたら厄介だからだ。
冒険者達はさらに森を奥へと進んで行った。
そして、生い茂る木々の間から、岩山が見えてきた。
1人が手を上げると、皆腰を低くして木の陰や繁みの陰に身を隠す。
岩山の入口には見張りらしきゴブリンが立っていて、入口の前には少し開けた場所があり広場のようになっていた。
広場には火を焚いた跡があり、ここで生活が営まれていた事がうかがえる。
「あれが巣みたいだな。‥‥‥計画通りにいくぞ」
この討伐隊のリーダーとなっている一番年長の冒険者が周りを見回して言った。
「やってくれ」
弓を抱えた者が1人、魔法使いのローブを着た者が1人、そして短剣を手にした者が1人出てきた。
短剣を手にした者は、ヒュッと短剣を投げた。短剣は見張りのゴブリンの首に命中し、ゴブリンは手にしていた槍もろとも倒れた。即死だったようだ。
「よし、よくやった。次、頼んだぞ」
次に弓を抱えた者が弓を構えた。矢の先に何か小さな袋が取り付けてあり、それに火を着け、矢を射った。
魔法使いは風魔法を使い、矢に速度を与え、確実に洞窟の中へと誘導していった。
「皆、気を緩めるなよ。出てきたのは、逃すな」
冒険者達は各々得意な武器を手にして、洞窟の入口を注視していた。
暫くすると、洞窟から煙が溢れてきた。
「来るぞ!」
-----バタバタバタ。
-----ギャーギャッ、ギャー。
次々にゴブリンが洞窟から出てきた。
「いけー。確実に仕留めろ」
冒険者達は次々にゴブリンを屠っていった。
そして、一際大きなゴブリン---ホブゴブリン---が1体現れた。
弓を射るが、矢が当たってもびくともしない。
興奮して何やら喚いている。
「俺がいく。小さいのは任せたぞ」
リーダーの男が、大剣---クレイモア---を手にホブゴブリンのもとへ駆けて行った。
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