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円卓会議

見つけてくださり、ありがとうございます✨


 「以上で報告は終わりなのだが、何か質問はあるか?」


 ‥‥‥‥‥‥‥。


 「‥‥なければ、協議が必要な案件に移る。ソロン、説明を」


 ウーサーは、砂色の髪・黄緑色の瞳の男に声をかけた。年は40代といったところか。


 「では、私から‥‥我が国の南の森に、トレント達が移動してきている件です。所々、開けた場所があった辺りなので、問題は今のところありません。現在トレント達は動きを止め、こちらに攻撃をしてくる様子は見受けられません。何か、情報を持っている者はいませんか?」


 ‥‥‥‥‥‥‥。


 「無いですか‥‥」

 「‥‥では、ワシから少し。 ある者からの情報なのじゃが、トレント達は避難をしているのだそうな‥‥‥。 嫌な気配を感じて、なのだそうだ‥‥」

 「それは、何処からの情報で?」

 「それは言えん。情報元は秘匿するものじゃ‥‥」

 「確かなので?」

 「信じるしかないの‥‥」



 子どもとはいえトレント本人からの情報と言ったら、驚くだろうな。言えないが。



 「では、様子をみるという事でよろしいですか?最高老師」

 「良いと思うぞ。他の皆は?」


 皆、頷いている。


 「トレントの件は、このまま監視を続けて様子をみましょう。次にグエンナビア」


 ウーサーは次に、金色の髪をきっちりと纏めた青い瞳の、40代くらいの女に声をかけた。


 「私からは、移住希望の者達の件です。まだ余裕があるとはいえ、このまま受け入れ続けては、住居と食料が足らなくなります。条件を厳しくするか、国そのものを拡げるしかないかと‥‥」


 「条件って、犯罪歴の有無だっけ?」

 「ええ、そうよ。」

 「他に何か条件つけられる?」

 「んーどうかな‥‥条件を厳しくして、暴動でも起きたら困るよね」

 「そうね、ここに住みたくてやって来たのでしょうし、出来るだけ受け入れてはあげたいわね」

 「難しいな。最高老師、何か良い考えはないですか?」


 「ふむ‥‥居住地と農地を拡げてみるか?」

 「大変ですよ。城壁はどうします?」

 「そうさのぅ‥‥すぐ近くに新しく城壁を築いて、街を作るか?‥‥繋がる道に結界を張れば良いだろう‥‥。馬無し馬車を巡回させれば、移動も楽だぞ‥‥」

 「大掛かりですねぇ、でも、考えてもいいかもしれませんね」

 「では、建築やまち造りに詳しいものと地の魔法の得意なものを集め、話し合ってみますか?最高老師」

 「ふむふむ、良いのぅ。‥‥たのむぞ。焦ることはない」

 「わかりました」



 「では、この件はじっくりと取りかかるとしましょう。次に私からひとつあります」


 そう言うと、ウーサーは皆の顔を見回して話し出した。


 「街道の結界の件です」

 「またか」

 「また何処かの国が何か言ってきたの?」

 「自分達でやればいいのに」

 「私もそう思うよ。‥‥最高老師、幾つかの国からの要望なのですが、街道の結界を南北街道まで拡げてほしいとの事です」

 「‥‥ふぁ?‥‥なんじゃと?‥‥南北街道?」


 「「「「「 は? 」」」」」


 「‥‥‥そうです。魔の森の外側を南北にはしる大きな街道です」

 「あんな所まで‥‥なんと欲深い者らなのかのぅ‥‥」

 「ええ、到底受け入れられない話です」

 「その通りじゃな‥‥魔の森の中の街道までで十分じゃ‥‥それ以上は必要ない」

 「そう思いますが、何もしないと煩いのでは?」

 「ふむ‥‥‥魔の森の中の街道と接する所に、広場を作って、結界に護られた休憩所にでもするか?‥‥出来るとしたら、そこまでじゃ‥‥」

 「そうですね、それくらいなら」

 「魔道具の作製は魔道具研究所に依頼し、魔石への魔力充填は魔法学校の生徒達に協力してもらいましょう。魔力操作の練習にもなりますし」

 「良い考えじゃな」

 「では、そのように致します。他に何か案件がある者は?」


 ‥‥‥‥‥‥。


 「無いようですね。では、本日の円卓会議はこれにて終了とします」




 やれやれ、やっと終わったか。さっさと帰るとしよう。



 ベリルはゆっくりと立ち上がると、扉へ向かって歩き始めた。



 「最高老師、お待ちください。せっかくですから、魔法学校の様子をご覧になってはいかがですか?新入生達は頑張っておりますよ」

 「‥‥‥そうか、‥‥ワシは少々疲れておる‥‥」

 「そう言わずに、さぁ」

 「待て!待つのじゃ、ウーサーよ。老いぼれに何をするのじゃ!」


 腕を掴まれ廊下に出ると、光る円盤に乗せられ、魔法学校や魔法省の各部署をまわる事になった。ウーサーがしっかりと隣に居るため、逃げることも出来ない。

 ベリルは溜め息をついて、諦めた。



 今日は帰れそうもないな。仕方がない。



 あちらこちらと連れ回されたベリルが自室に戻ったのは、随分と後の事であった。

 翌日も、朝早くから迎えの者が部屋を訪れ、外へ連れ出された。

 各ギルドの責任者や街の責任者、警備の責任者等との面会がこれでもかと用意されていた。


 その結果、ベリルが森の家へ帰れたのは、2日後の事であった。



 



読んでくださり、ありがとうございます✨

また、おつきあいくださると嬉しいです。

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