表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/189

ローゼンタール傭兵団

見つけてくださり、ありがとうございます✨


 「あの、貴方はメルクリウスさんですよね?あの時はいろいろとお世話になりました」

 「あぁ、どういたしまして。君も元気そうで良かったよ」

 「ありがとうございます」

 「ローズ、そちらの方は?」

 「彼女はロータス、私の護衛兼助手なの。そして、この子はクリムゾン、私の使い魔よ」

 「まぁどうぞ宜しく。それにしても使い魔って、ローズは魔女になったの?」

 「まだ見習いよ。いずれは魔女になるつもり」

 「そうなのね、頑張ってね」

 「ありがとう」

 「ねぇ?今晩泊まるところはあるの?」

 「それは大丈夫。傭兵団に宿泊場所があるそうなの」


 ‥‥‥ロンメルさんからの手紙にそう書いてあったわ。


 「そっか、良かったらうちに泊まってもらいたかったけど仕方無いわね。そうすれば、ゆっくり話せたのに」

 「ありがとうケイティ。時間が取れたら会いに来るから大丈夫よ」

 「うん、楽しみにしてる」

 「あ、ケイティ。もし、部屋に空きがあれば私が泊まりたいんだが、どうだろう?」

 「メルクリウスさんが?勿論大歓迎です。空き部屋は幾つかあるので大丈夫です。いい部屋を用意しますね」

 「それは良かった。私も仕事があってね、数日ヨーツに滞在する予定なんだよ。ローズ達を傭兵団に送ったら戻ってくるから、部屋の用意をお願いするよ」

 「承知しました。お任せください」

 「いいなぁメルクリウスさん。私も【赤猫亭】に泊まりたかった」

 「ローズ、いつでも遊びに来ていいのよ?」

 「ふふ、うん」


 皆で話していると廊下の奥から声が聴こえてきた。


 「ケイティ、こんなところに掃除道具を置いたままで何してるの?」


 ケイティが「あっ」という顔で慌てて返事をした。


 「母さん、大事なお客様なの。母さんもこっちに来て」


 「あら、どちら様?」


 そう言いながら食堂に現れたのは、茶色の髪に青い瞳の優しそうな女性だった。

 色白でケイティと同じソバカスがある。


 ‥‥‥ケイティのお母さんね。とっても優しそう。


 「こちらの方達は?」

 「母さん、前に話したでしょ?私を助けてくれたローズよ。それと、お世話になったメルクリウスさん。ローズの護衛と助手のロータスさん。あと、猫はローズの使い魔ですって」

 「まぁ、あなたが?なんとお礼を言えば良いのか‥‥ローズさん、娘を助けてくれて本当にありがとう。メルクリウスさんもお世話になりました。私はケイティの母のマリーです。お会い出来て嬉しいわ」

 「こちらこそ、お会い出来て嬉しいです」

 「私もです。ケイティの母上殿」

 「あら、母上殿なんて‥‥」

 「もう、母さん、何赤くなってるの?」

 「え?あら‥‥」

 

 ‥‥‥ケイティのお母さんって可愛い。


 「ローズ、そろそろ行かないと」

 「そうね。ケイティ、私達そろそろ行くわね。時間が出来たら必ず来るわ」

 「残念だけど仕方ないわね。東門まで行くんだからもう行かないとね。ローズ、私、待ってるからね」

 「うん。ところで、東門って?」

 「ローゼンタール傭兵団の本部に行くんでしょ?本部は東門の手前にあるのよ」

 「東門があるの?」

 「そう。ローズ達は街道から来たの?」

 「そうよ」

 「だったら、通ったのは南門ね。ヨーツには東西南北に城門があるの。それで、街道に面してるのが南門、東門には傭兵団、西門には冒険者ギルド、北門には国境警備隊の駐屯地があるわ。いろいろ理由はあるみたい」

 「そうなんだ‥‥なんか物々しいのね」

 「ヨーツは辺境の町だから。それより、此処は南門に近いから、東門に行くなら急がないと」

 「そうね、もう行くわ。ご馳走さまでした」

 「どういたしまして」


 【赤猫亭】の前でケイティとマリーさんに別れを告げるとローズ達は東門を目指した。


 「結構ゆっくりしちゃったね。急がないと」

 「じゃあ、箒を使うか」

 「町中で箒を使っていいの?」

 「ヨーツはホンベルクほど煩くないから、通行の邪魔にならなければ大丈夫なはずだよ。高度を上げればいいさ」

 「わかった」


 ローズとメルクリウスは箒を取り出すと、素早く跨がった。

 ロータスとクリムゾンも乗せて箒は高度を上げていく。

 あっという間に建物の屋根よりも高くなると、眼下に広がるヨーツの町並みがよくわかった。

 町の中央辺りには大きな広場があり、東西南北に大通りが通っている。

 ケイティが言っていたように城門の手前には大きな建物がある。

 中央広場の近くに立派な屋敷が見えるので、おそらく町長の邸宅なのだと思われる。


 「ローズ、東門に向かうよ。箒ならあっという間だ」

 「了解!」

 「いよいよだな、ローズ」

 「そうね」

 「クリムゾン、気を引き締めてくださいよ」

 「分かってるって、ロータス」

 「見えてきたわ」


 城門の手前に、飾り気の無い大きな建物があった。

 どこかホンベルクの傭兵ギルドと似ているが、こちらの方がはるかに大きい。

 屋上には傭兵団のものらしい旗がはためいていて、入口には槍を手にした警備兵が立っていた。

 どこか緊張する雰囲気を醸し出している。


 「あれがローゼンタール傭兵団の本部なのね」


 ローズ達は建物の前にある広場に降りていった。

 


 

読んでくださり、ありがとうございます✨

PV、評価、ブックマーク、励みになります。感謝です✨

皆さんに良いことがありますように✨

 :*(〃∇〃人)*:

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ