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白亜宮の主

見つけてくださり、ありがとうございます✨


 「ベリル!!」


 城の中から声がかかる。

 声の方を見ると、見るからに高貴な雰囲気を纏った男が笑顔を浮かべて近寄って来る。

 輝く金髪は稔った稲穂のようで五穀豊穣を思わせ、優しげな顔立ちにとても合っている。

 スラリとした長身は動きも優雅で、声も優しい。



 ‥‥‥わぁ~~お父様も美形だけど、この人もかなりの美形だわ~~。 ヘリオドール様で間違いないわね。


 

 「もしかして、待っていたのか?ヘリオドール」

 「いや、今しがた来たところだ。結界に入る君の気配を感じたから此処に来た。やっと来たね、遅いよベリル。さぁ、君の娘を紹介してくれ」

 「挨拶もまだなのに、そんなに気になるのか?」

 「当たり前だ。ずっと隠していた君が悪い」

 「‥‥‥わかった」


 ベリルは軽く溜め息を吐くと、ローズの肩に手を回した。


 「娘のローズだ。歳は52才」


 「‥‥‥それだけ?他に言うことは無いのか?」

 「他にとは?」

 「いや、いいよ。‥‥君はこういう男だよね。‥‥ふむ。 ローズ、初めまして。私はヘリオドール、身内だから気をつかうことは無いからね。私にも子供がいるから後で紹介するよ。名前はビョルン、君より少し下の男の子だ。仲良くしてやってくれ」

 

 ヘリオドールは優しく話し掛ける。

 緊張していたローズは少しホッとして笑顔を浮かべ、カーテシーをした。


 「初めまして、ヘリオドール様。ローズです。宜しくお願い申し上げます」

 「ふふふ、丁寧にどうも。うん、やっぱり女の子はいいね」

 「じゃあ、次は女の子を産んで貰えばいい」

 「そう簡単にはいかないんだよ、分かるだろ?努力はするけれど‥‥」

 「‥‥まぁ頑張ってくれ」

 「はは‥‥‥さぁ、中へ入ってくれ。今宵は宴席を設けるから、それまでは、用意した部屋でゆっくり寛いでくれ」

 「急なのに悪いな」

 「ふふふ、いつ来てもいいように用意しておいたんだよ」

 「‥‥‥そんなに楽しみにしてたのか?」

 「まぁね、さぁ行こう」


 ヘリオドールの後に続き【白亜宮】へと入っていく。

 広い廊下や柱、壁は何処もかしこもピカピカと磨きあげられており、手入れが行き届いていて、置いてある彫像も見事だ。


 ‥‥‥天井は高いし中の雰囲気も神殿って感じ。お父様の【水晶宮】とは随分感じが違うわね。


 「ベリル、少しいいかな? ローズは、他の者に案内させるよ」

 「ああ、構わない」

 「では、また後でね」

 「はい」


 ローズは、すすすっと現れた女性使用人に案内されて部屋へと向かった。

 階段を上がり奥へと進む。

 案内された部屋は、廊下の1番奥だった。

 部屋はとても明るく、バルコニーの向こうには青空が見える。

 カーテンや家具など全体的に柔らかい色合いで設えた部屋は、確かに女の子用だと言える。


 ‥‥‥本当に用意してくれてたのね。


 「宴席が整いましたらお迎えに上がりますので、ごゆるりとお過ごしください。ご用の際はそちらのベルを鳴らしてくださいませ」

 「ありがとう」


 使用人が出ていくのを見送ると、グルリと部屋を見回した。


 ‥‥‥広い部屋にはテーブル、椅子、書棚、ソファー、クローゼットにドレッサー、ベッド(---は勿論、天蓋付き)、扉の向こうはお風呂とトイレかしらね。 さて、どうしよう。 何をして時間を潰そうかな。 んーーバルコニーにでも出てみるか。


 窓を開けて、バルコニーへ踏み出すとひんやりとした風が頬を撫でた。


 ‥‥‥森の家よりも風が冷たい‥‥。やっぱり、北なんだなぁ。 


 バルコニーから見える景色は自然豊かであった。

 岩山から流れ落ちる滝、蒼く澄んだ湖、川、高い木、森。

 遠くには雪を残した山も見える。


 ‥‥‥人が住む気配は無さそう。冬は寒さも厳しそうだものね。 雰囲気は北欧って感じかなぁ。 ん? あれは‥‥‥何?


 バルコニーの手摺に駆け寄り、空を見つめる。

 何か、金色のモノがキラキラと陽の光を受けて輝いている。


 ソレは煌めきながら空を飛んでいた。

 徐々に近付いてくる。


 ----- バサッ 、 バサッ -----


 静かにローズの目の前を通り過ぎていく。


 一瞬、金色の瞳と、目が合った。


 「‥‥金色のドラゴン。‥‥しかも、小さい。 子供の竜?」


 ソレは美しく輝く金色の鱗の子竜だった。




読んでくださり、ありがとうございます✨

また、おつきあいくださると嬉しいです。

皆さんに良いことがありますように✨

 :*(〃∇〃人)*:

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