氷魔法
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「魔法の練習とな?どんな魔法を?」
「いろいろです。水系、風系‥‥‥いろいろと。お父様に教わっています」
「ベリル様は厳しかろう?」
「あ‥‥‥そうですね、かなり‥‥」
「まぁ、親であれば当然じゃな。そうか‥‥‥畑仕事とは?」
「野菜や薬草を育ててます。結構上手なんですよ?美味しいし」
「ほう‥‥‥そうか、食べるのか。他には何を?」
「薬を作ったり‥‥あ、森に採集に行ったりもしますよ」
「採集?危なくはないのか?」
「んーーーいろいろありましたけど、なんとか」
「いろいろとは?」
「それは‥‥‥」
ローズは、ゴブリンに襲われた件や街中で拐われた件等々、今まで体験した事を話し、ノーザンは目を細めて愉しそうにその話を聴くのだった。
ローズはふと、何かに気付いたかのようにノーザンをまじまじと見つめた。
‥‥‥あれ?なんか、ノーザンさんの魔力が薄まっている?
「‥‥‥気が付いたかの」
「え?あの」
「そろそろか‥‥‥。そうじゃ、ちと頼みがある」
「何ですか?」
「うむ。首のこの辺りに1枚、逆についておる鱗があるであろ?見てみい」
「首?」
ローズが近付いて見上げる。
ノーザンがゆっくりと頭を下げて近付く。
首、のどの下辺りに1枚だけ逆さについている鱗が見える。
よく見ると僅かに光っている。
「ありました!僅かに光ってる逆さの鱗」
「それを剥いでくれるか?」
「え?剥ぐ?取るってこと?」
「そうじゃ」
「い、痛く無いの?」
「平気じゃ、どうってこと無いわい。ほれ、早うせい」
「はい、それじゃ」
更に近付き、恐る恐る両手を伸ばす。
‥‥‥これって所謂、竜の逆鱗ってのよね?触って大丈夫なの?平気なの?暴れない? でも、剥いでって言ってたし、いいのよね。そうよね。
躊躇いがちにそっと触れる。
鱗は硬く少しひんやりとしていて、大きめの皿くらいの大きさがある。
僅かに光る逆さの鱗に手をかけると、難なくスルッと剥がれた。
‥‥‥あっ、呆気なく取れたよ逆鱗。凄く綺麗。
手にしたアイスブルーの鱗は薄く、透き通っていて硝子のようだった。
「取れましたよ」
「おお、それじゃそれじゃ。手を離してくれ」
手を離すと、逆鱗はふわふわと宙に浮き、ノーザンが前足の爪で触れると、すすすっと小さくなる。
大きな皿くらいはあったのに、今では桜貝ほどの大きさになった。
「これで良い」
「 ? 」
「ところでの、お主、氷魔法は使えるか?」
「氷魔法?試した事が無いので、使えるかわかりません」
「そうか‥‥‥どれ、やってみぃ」
「え?やるって‥‥‥」
「水魔法は大丈夫であろ?ならば問題あるまい」
「‥‥‥とりあえず、やってみます」
‥‥‥んーーー、魔法は想像力が大事、イメージが大事、そうイメージ。 氷 氷 氷 。よし!
ノーザンから少し離れると、ローズは胸の前で掌を上に向ける。
「氷!!」
-----コロンッ。
掌に小さな氷が1つ転がる。
まるで冷蔵庫の製氷機で作られたような四角い氷だった。
「出来ました!私、初めて氷魔法を使いました!」
「よしよし、そうでなければの。では、此方に来るのじゃ」
「 ? 」
ローズは首を傾げながら近付く。
-----ヒュッ、ピタッ。
「え?」
小さな逆鱗がローズの額に張り付き、光を発する。
そして、ゆっくりと額の中へと吸収されていった。
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