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レオンが身辺整理で忙しくしていた頃、ローズは魔法の練習に励んでいた。
鬼教官ベリルは健在で、ローズの練習をしっかりと見張り、
畑仕事はロータスとクリムゾンが頑張った。
「俺、護衛騎士なんだけどなぁ~~」
「いいじゃないですか、お役に立てているんですから」
「そうだけどさー」
文句を言いながらも真面目に働くクリムゾンと、コツコツ常に真面目なロータスだった。
かなり充実した1日を過ごし、夕食を済ませた後、皆で居間でのんびりと寛いでいた。
-----キィィーーン。
外に大きな魔力を感じてローズ、クリムゾン、ロータスは慌てて身構えた。
一方、ベリルは慌てずのんびりと構えている。
「何?この魔力」
「結構大きいぞ」
「何者でしょうか」
3人は扉を見つめる。
「大丈夫。そんなに身構えなくていいよ。怪しい者では無いから」
「‥‥‥お父様の知り合いですか?」
「そう。おそらく、私に用事があるのだろう。扉を開けてくれるかい?」
「はい、わかりました」
3人はホッとし、力を抜いた。
ローズがそっと扉を開ける。
目に入ったのは、スラリと背の高い綺麗な女性。
藍色の髪を後ろでひとつに縛り背に垂らし、黒く長い外套を身に纏っている。
静かに微笑む瞳は金色。
スッと片膝を地につけて頭を下げる。
「私はラピスと申します。ローズ姫にお目にかかれて光栄でございます」
「‥‥‥ローズ姫?‥‥はぁ‥‥あ、こちらこそ、どうぞ宜しくお願いします」
「あの‥‥‥ベリル様はいらっしゃいますでしょうか?」
「あぁ、はい。お父様にご用なのね?どうぞ中へ」
スッと立ち上がり、居間へと歩く姿はとても優雅だった。
‥‥‥この方、何者かしら? 綺麗で優雅で。 魔力の感じは、竜族みたいだけど。 あ、椅子を用意しないと。
ローズは慌てて椅子を1つ持ってくる。
「やぁ、ラピス。久しぶりだね」
「ベリル様、ご無沙汰しております。お変わりございませんでしたか?」
「うん、まぁね。とりあえず、座りなさい」
「はい」
腰掛けるとササッとロータスがお茶を出す。
続けてクリムゾンもベリルにお茶を出した。
「話は一息ついてからでいいよ」
「では、お言葉に甘えて」
2人がお茶を飲む。
「君が来たということは、私の仕事‥‥があるんだね?」
「はい。お願い致します」
「そうか。行くのは明日の朝で構わないかな?」
「大丈夫です」
「わかった。明日の朝早くに行くとしよう。‥‥君は泊まっていくかい?」
「いえ、帰ります」
「そうか。気を付けて帰りなさい」
「はい、ありがとうございます。お待ちしています」
ラピスは残りのお茶を飲み干すと頭を下げて部屋を出る。
そして見送ったローズに笑顔を向けた。
「また、お会い出来るのを楽しみにしています」
「私もです。もう暗いので気を付けてくださいね」
「えぇ、ではまた」
ラピスはトンッと地を蹴ると一瞬で竜の姿に変化する。
髪色と同じ藍色の鱗が月の光で煌めく。
‥‥‥わぁ、藍色の竜、綺麗。属性は何だろう? んーーー、色味から考えると闇、かな? 後でお父様に訊いてみよう。
ローズが居間に戻るとベリルが声をかけた。
「ローズ、明日は早くに家を出るから、そのつもりでね」
「え?私も行くんですか?」
「勿論」
「えっと、何処に?」
「【竜の島】だよ」
「【竜の島】?」
‥‥‥あれ?竜の島ってもしかして、メルクリウスさんに連れて行ってもらった島、よね? 【風竜の郷】を見たのよ。
「君は行った事があるだろう?」
「え?どうして‥‥‥」
「ふふ、何故だろうね。」
「 ? 」
「その内に教えてあげる。さぁ、今日は早く寝なさい」
「はい、そうします」
その夜は、レオンとのお喋りは短めに済ませて寝台に潜り込むローズであった。
‥‥‥【竜の島】、楽しみ!
読んでくださり、ありがとうございます✨
間が空いてしまいました、すみません。
いろいろありまして。本当に人生いろいろ、ですね。(なんかすみません)
頑張って投稿していきたいです✨
これからも宜しくお願い致します✨
皆さんに良いことがありますように✨
:*(〃∇〃人)*: