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身辺整理

見つけてくださり、ありがとうございます✨


 ‥‥‥ローズから連絡がきて良かった。


 レオンはホッと息を吐いた。


 「レオン、誰と話していたんだ? それは、会話が出来る魔道具なのか?」

 「トリスタン‥‥‥すまないな、起こしてしまったか」

 「いや、もう起きるから問題無い。それよりも、その魔道具は初めて見るぞ」


 トリスタンはレオンに近付くと手元のペンダントを覗きこんだ。

 

 「あぁ、うちの魔道具師が作ったんだ。まだ試作品みたいだけどね」

 「ふぅん‥‥‥大したものだな。会話が出来る【通信魔道具】はもっと大きかっただろう?こんなに小さいと持ち運びにも便利だし、使い勝手も良さそうだ。さすがスタロット家の魔道具師だな」

 「お褒めにあずかり光栄だよ。うちの魔道具師に伝えておくよ」

 「あぁ、伝えておいてくれ。それより、どうする?もう支度するか?」

 「そうだね、少し早いけど。ブルーノは‥‥‥‥‥もうまとめてあるみたいだな」


 レオンが向けた視線の先、

 3人部屋のブルーノのベッドの上には荷物がきれいにまとめてあった。


 「ブルーノってこういうところキチンとしてるよね」

 「あぁ、意外にな。さて、私達もまとめよう」

 「了解」


 レオンとトリスタンが自分達の身支度と荷物をまとめた頃、ブルーノが戻って来た。

 レオン達3人は朝食をすませると魔国へと帰って行った。



 


 

  ∗ ∗  第2魔国  ∗ ∗




 「お疲れ~~」

 「お疲れ様」

 「あぁ、またな」


 3人は報告をすませると各々自宅へと戻って行った。

 レオンは風呂に入ると身支度を整えてスタロット家を後にする。


 ‥‥‥さてと、私はこれからもう一仕事だ。付き合いがあるご婦人方との関係を精算しなければ。 よしっ、行くか。


 レオンは時々逢瀬を楽しんでいたご婦人方に会う為に、魔王城を目指した。

 

 ‥‥‥家を訪ねる事は出来ないしな、さすがにご夫君と顔を会わせたら不味い。 最初に誘ってきたのが奥方の方だったとしてもな。

 さて、誰か会えるか‥‥。


 庭園へと続く廊下で不意に声がかかる。


 「あら、レオン。久しぶりね。お元気?」


 振り向くと、付き合いがあるご婦人の1人、ヴァリー夫人が扇で口元を隠し優しげに目を細めながら近付いて来る。


 「ヴァリー夫人、ご無沙汰しております。夫人を探していたのですよ」

 「あら、私を?嬉しいこと。‥‥‥それで、何かあったの?」

 「その、実は‥‥‥夫人と2人で会うのはもう出来なくなるので、お別れを言いに‥‥‥」

 「お別れ?‥‥‥‥‥つまり、今後はただの知り合いとしての付き合いになるという事?」

 「‥‥‥はい、そうです」

 「‥‥‥‥‥‥‥‥そう。もしかして、婚約でもするの?」

 「そんなところです」

 「そう‥‥‥あなたはスタロット家の後継者だものね。そろそろお相手を決めなくてはいけないわね。残念だけれど仕方がないわね」

 「ありがとうございます」

 「ならば‥‥‥これが最後の逢瀬という事ね」

 「 え? 」


 夫人がレオンの腕に自らの腕を絡め引いていく。

 女性とはいえ魔族、グイグイとレオンを引っ張って行く。


 「あの、ヴァリー夫人?」

 「さぁ、此方へ‥‥‥」

 「いや、あの」

 「最後に素敵な思い出を残してくれるのでしょう?」

 「‥‥‥はい」


 レオンが覚悟を決めた時、空き部屋へするりと入った。


 「さぁ、お楽しみはこれからよ?」

 「‥‥‥最高のひと時を貴女と‥‥‥」

 「ふふふっ」

 「‥‥‥‥‥‥」


 

 ‥‥‥‥‥‥‥‥。

 ‥‥‥‥‥。






 レオンは1人魔王城の廊下を歩いていた。



 ‥‥‥はぁ‥‥‥なんでこうなる?別れを告げるだけのつもりが。毎回こうなっては体力がもたないぞ。



 「まぁ、レオンじゃなくて?」


 振り向いた先には満面の笑顔の貴婦人。


 「サヴォア夫人‥‥」

 「久しぶりね。こんな処でどうしたの?」

 「貴女を探していました」

 「あらまぁ。ふふふふ、なぁに?」

 「お話がありまして」

 「そう、お話‥‥‥なら、ゆっくりと静かな処でしましょうか」

 「いえ、此処で‥‥」

 「何を言っているの。駄目よこんな処で。さぁ、行きましょう?」

 「‥‥‥はい‥‥」


 レオンは先ほどと同様にグイグイと引っ張って連れて行かれた。

 

 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

 ‥‥‥‥‥‥。

 





 「はぁ‥‥‥」


 レオンは庭園のベンチに座り溜め息をつく。


 ‥‥‥不味い、このままでは本当に体力が。私はちゃんと精算出来るのか?



 「どうしたんだ?レオン。元気が無いぞ」


 見上げると、そこにはドラゴが立っていた。


 「兄上」

 「なんか、やつれてるぞ。どうした?」

 「実は‥‥‥」


 レオンは事の経緯をドラゴに話した。


 「なるほどね‥‥‥同情はするが‥‥‥自分でなんとかするしかないね」

 「そうですよね‥‥」

 「そうだ!お前に良いものをあげよう」

 「良いもの?」


 ドラゴはパッと取り出したものをレオンに渡す。

 幾つかの小さなガラスの瓶。


 「これはもしかして、回復薬ですか?」

 「その通り。今のお前に必要なものだろ?」

 「‥‥‥確かに」

 「これを飲んで、しっかりと精算してこい」

 「はい。そうします」


 -----きゅっ、ごくっごくっ。はぁーー。


 「頑張ってこい」

 「行ってきます」



 歩き出すレオンをドラゴは笑いながら見送った。


 ‥‥‥レオンは真面目だな。適当にあしらえばいいものを。 私と違って優しいから無理か。まぁ、頑張れ、弟よ。



 

 その後レオンは、ご婦人方と最後の逢瀬をすませ、疲れた様子で家路についたのであった。




読んでくださり、ありがとうございます✨


先日、一人暮らしの息子が顔を出しに来ました。元気かと思っていたら会社の健診に引っ掛かり様子をみているとのこと。

本当に我が家はどうなっているのか‥‥‥。人生こういう事もあるのかもです。

皆様も健診・検診は受けてくださいね。ご自愛くださいませ。


時間をみつけては投稿していきたいと思います。

また、おつきあいくださると嬉しいです✨

 :*(〃∇〃人)*:

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