寝起きのどっきり?
見つけてくださり、ありがとうございます✨
「コケーーッ、コケッ。コケ--」
-----ガバッ。ガバッ。
「うわぁ、起きます起きます!」
「うおぉっ!」
ローズとクリムゾンが飛び起きる。
ロータスはゆっくりと頭を上げて声をかけた。
「おはようございます」
「ん、おはよう~」
「んにゃ~~」
ローズは大きく腕を伸ばしてからベッドをおりた。
‥‥‥もう朝か、ゆっくりと眠れたわ。ん~~~いい朝。
‥‥‥あれ? 私、何か忘れてないかしら? 何か大事な‥‥‥‥‥あっ! あぁ! あああぁ! レオンへの連絡! 私、寝ちゃった、寝ちゃったよ! どうしよう。
慌ててペンダントを握りしめた。
ペンダントはウンともスンとも言わない。
ずっと身に付けていたせいかローズの体温で少し温かい。
‥‥‥どうしよう。今からでも連絡していいかな。いや、まだ寝てるよね。そうよね。
うーーーん、とりあえず‥‥‥、
支度して下に行くか。
「ローズ、もう起きるのかにゃ‥‥‥」
「まだ寝てていいわよ」
「わかったにゃ‥‥もう少し寝るにゃ」
クリムゾンは布団の中に潜り込んでいく。
ロータスは寝床を出るとスッと人型になった。
「私は起きます。畑仕事でしたら、一緒に行きます」
「あら、まだ寝ていてもいいのよ?私1人でも大丈夫‥‥‥」
「平気ですよ」
「じゃ‥‥‥行こうか」
2人は下へと降りて行く。
居間へ入るとローズは立ち止まってロータスに声をかけた。
「私、ちょっとする事があるから先に畑に行ってもらっていい?」
「はい、わかりました。食べ頃のものを探しています」
「お願いね」
ローズはロータスが玄関から出ていくのを見届けると、窓際に寄って慌ててペンダントを胸元から取り出した。
‥‥‥まだ早い時間だけど、1人になれるのは今しかないわ! 朝早くからごめん!レオン! 出て!
手の中のペンダントの蓋を開けて魔力を軽く流す。
そして、小さな声で話しかけた。
「レオン、レオン。聴こえる?」
「‥‥‥‥‥」
「‥‥‥寝てるかな? レオン、私、ローズよ」
「‥‥‥‥‥」
「‥‥‥無理かなぁ。どうしよ。‥‥‥レオン?聴こえる?起きて?」
ローズは必死に声をかけた。
∗ ∗ ∗ ∗ ∗
‥‥‥んーーー。 何だ? 何かの声? 私を呼んでいる? すぐ近くから聴こえるが。 誰だ? ‥‥‥ん? この声は‥‥‥‥‥ローズ? え?
-----ガバッ!!
レオンは飛び起きた。
「レオン? 聴こえる?」
「ロ、ローズ?本当にローズ?」
「良かった。起きてくれて」
「ローズなんだね?」
「そうよ。おはよう、レオン。朝早くからごめんね」
「お、おはよう」
レオンは話しながらペンダントを探した。
枕の横にあったペンダントを見つけると蓋を開ける。
暫くすると、ペンダントの中の絵がふわっと消えて、心配そうな表情のローズの姿が映った。
「ローズ、君の姿が見えるよ。私の姿も見えるかい?」
「えぇ、見えるわ。‥‥‥寝起きなのね‥‥‥起こしてごめんなさい」
「ん?気にしないで大丈夫だよ?」
「そ、そう?‥‥‥」
‥‥‥どうしたんだ? 何か、変な事でも?
レオンは自分を見下ろした。
シャツの前は大きくはだけて肌が見えていて、まさに寝乱れている状態だ。
「うわっ」
慌ててシャツをかき合わせて肌を隠す。
「‥‥‥失礼した」
「ううん、大丈夫。寝てたのに、こちらこそごめんなさい」
「いや、大丈夫。それより、連絡してくれて嬉しいよ」
「昨夜は連絡しなくてごめんなさい。横になって寝た振りしてたら本当に寝てしまったの。本当にごめんなさい」
「そうか、寝てしまったのか‥‥‥はぁ‥‥‥良かった」
「良かった?」
「あぁ、振られたのかと思っていた」
「え?振られる?そんなこと無いわ」
「うん、だから、良かった」
「心配させてごめんなさい」
「謝ってばかりだね。こうして連絡してくれたから、もういいよ」
「ありがとう。ゆっくり話したいんだけど、今あまり時間が無いの」
「そうなの? そうか、じゃあ今夜は話せそう?」
「うん!ちゃんと起きているから大丈夫。だと思う」
「それなら、また夜に連絡してくれる?」
「えぇ勿論。寝ないように頑張るわっ」
「ふふ、楽しみにしてるよ。連絡を待ってる」
「待っててね。それじゃ、また後で」
「また後で」
ローズはペンダントに向かって手を振ると、そっと蓋を閉めた。
‥‥‥良かった。レオンが怒ってなくて。今夜は必ず連絡しないとね。
口元を綻ばすとペンダントを服の中に入れる。
玄関を出ると外はもう明るく、畑にいるロータスがハッキリと見えた。
ローズは畑に向かって走っていった。
居間の窓からそんなローズを見つめている者がいた。
‥‥‥あれは、魔道具のようだな。 馴染みの無い魔力を感じたから下に降りて来てみたが‥‥‥ふむ‥‥‥誰から手に入れたのか‥‥‥。
ホンベルクで売ってはいないだろうから、まぁ、レオンあたりからかな?
レオンが動いた‥‥‥というよりはスタロット家が動いた、という事かな。 ローズはどうするのだろうねぇ‥‥‥。
ベリルはロータスと共に畑で野菜を採っているローズを見つめていた。
読んでくださり、ありがとうございます✨
なんとか投稿出来ました。
我が家はこのところ大変でした。
ワンコが病気になり手術、夫の病気が見つかり通院に検査、1人暮らしの姑がぎっくり腰、かと思っていたらまさかの胸椎骨折で連日の義実家通い。更に、娘が来月入院で手術予定。
元気なのは1人暮らししている息子と私だけ。と言っても私はあちこちガタがきています。
いったい何故こんなに重なるのでしょう?
少し落ち着いて、やっとこうして投稿出来ました✨
そのままブックマークを付けていてくださった皆様、ありがとうございます✨感謝です✨
これからもおつきあいくださると嬉しいです✨
皆様も体調に気を付けて、ご自愛くださいませ。