またね
見つけてくださり、ありがとうございます✨
「ローズ、もう話は終わったのか?」
「えぇ。そろそろ西門に行きましょうか」
「そうだな」
「そうですね。ノトを待たせてはいけません」
「じゃあ、行こうか」
一行はレオンの案内で西門に向かう。
クリムゾンはロータスの肩の上に座り、周りを眺めている。
ローズはレオンに並んで歩いていた。
「ねぇ?」
「ん?何?」
「レオンのお父様って、何者?」
「私の父?」
「お父様の城を知ってるのよね。隠された城なのに」
「そうだね。父の事は此処ではちょっと‥‥‥」
「あ、そ、そうね。此処ではあれね。今度でも話してもらえれば」
「うん、2人の時になら」
「それでいいわ」
「じゃあさ、夜、寝る前に連絡してくれる?」
「寝る前?」
「落ち着いてゆっくり話したいから」
「ゆっくり‥‥‥。わかったわ、寝る前に連絡するね」
レオンは少し屈むとローズの耳元で囁いた。
「ベッドの中だと嬉しいかな」
「ほぁっ。な、な、べ、ベッドの中?」
‥‥‥何故、ベッドの中?え?
「ふふっ」
「あ。からかったの?」
「そんなこと無いよ。本心だよ。‥‥‥ベッドの中の姿を見たかったから」
「はぅっ。な、な、」
「ははは。場所は任せるよ。連絡してね。その時にいろいろ私の事を教えてあげる」
「う、うん」
「お互い忙しいから夜なら時間が出来るだろう?」
「そうね、うん、夜ね」
「楽しみに待ってる」
「‥‥‥私も」
‥‥‥寝る前に連絡なんて、恋人同士みたい。それにこのペンダント、携帯電話みたいで便利ね。作った魔道具師は凄いわ。他にはどんな魔道具があるのかしら。そのうち、訊いてみよ。
「西門が見えてきたよ」
通りの緩やかなカーブを過ぎるとその先に大きな城門が姿を現した。
門の手前にピンク色の髪の人物が立っている。
「お、ノトが居たぞ」
「待たせてしまいましたかね」
「待ち合わせ時間前だから大丈夫じゃないかな」
「間に合って良かったわね」
ノトが大きく手を振る。
ローズも答えるように手を振った。
「ノト、お待たせ」
「大丈夫だよ。僕もさっき来たとこ。レオン、ローズ達を案内してくれてありがとう」
「いえ、大したことありません」
「薬や回復薬が必要な時は是非、僕の薬屋に来てね。サービスするよ。獣人の村、ナズナ村だけど」
「サービス。それは嬉しいです」
レオンが嬉しそうに笑う。
「も、森の家だって構わないのよ。薬も回復薬もあるもの」
ノトがにまにましながらローズを見る。
「そうだね。森の家でもいいね。ローズが居るし。ふふふ」
「なぁに?ノト」
「何でもないよ。じゃあ、帰ろうか」
「そうね」
「レオン、本当にありがとう。皆が世話になったね」
「本当にそうね、ありがとうレオン。えっと、またね」
「レオン、ありがとな」
「お世話になりました」
「いえ、皆さんに会えて楽しかったです。また、会えるのを楽しみにしてます」
ローズ達はレオンと別れると城門を出て、箒に跨がり森の家を目指して飛んでいく。
レオンは城門の中からローズ達が飛んでいくのを見送っていた。
1度だけ、ローズが振り返ったので笑顔で手を振った。
‥‥‥ローズが私のことを意識してくれるといいんだけれど。可能な限り連絡を取って、会う約束をしなくては‥‥。
好きになってもらうのはなかなかに難しいものだな。
ローズ達の姿が見えなくなると、レオンは踵を返して歩き出した。
∗ ∗ 森の家 ∗ ∗
「着いたな~」
「何かいろいろあったわよね」
「そうですね」
「ローズ、初めてのホンベルクは疲れたみたいだね」
「うん、ちょっと疲れたかな。でも、とても楽しかったわよ?」
「それは‥‥レオンに会えたからじゃなくて?」
「え?そ、それは、それもあるけど。でも、ギルドに行ったり買い物したり面白かったわよ?」
「ふふ、なら良かった」
玄関の前に着くと、ちょうど扉が開いた。
「おかえり」
「ただいま。お父様」
「ノトもクリムゾンもロータスもお疲れ様」
「だ‥‥‥師匠、皆無事に戻りました」
「「 ベリル様戻りました 」」
「さぁ、入りなさい。疲れただろう?」
「私、お茶をいれてくる」
「お茶は用意してあるよ」
「え?お父様、お茶、いれられるの?」
「‥‥‥それくらい出来るとも」
「失礼しました。ご馳走になります」
皆で居間のテーブルに向かう。
ノトがクスクスと笑い、クリムゾンとロータスは平静を装い黙っている。
そして皆でベリルのいれたお茶を楽しむのだった。
‥‥‥お父様のいれたお茶、渋いかと思ったのに普通に美味しいわ。自分で出来るんじゃないねぇ、ちょっと以外。
「さて、ホンベルクはどうだった?問題は無かったかな?」
ベリルが皆を見回して言った。
読んでくださり、ありがとうございます✨
投稿はゆっくり‥‥‥ですが、またおつきあいくださると嬉しいです。
皆さんに良いことがありますように✨
:*(〃∇〃人)*: