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どうか内密に‥‥‥

見つけてくださり、ありがとうございます✨

本日2回目の投稿です。


 「あの‥‥‥お訊きしたいことがあるんです」

 「ん?さっきの嬢ちゃん、ローズだったか?何だい?」

 「此処では冒険者の人からしか買い取りはしていないのですか?」

 「あぁ、基本はな」

 「基本?」

 「例外もあるさ。ノトもそうだ。ノトは冒険者じゃないだろ?」

 「はい」

 「此方から注文した場合は冒険者以外からも買い取りするんだよ。回復薬や薬は薬剤師や魔法使いにな」

 「そうなんですね。‥‥‥あの‥‥例えば‥‥私が持ち込んだ物って買い取り出来ますか?一応‥‥魔女見習いではあるんですけど‥‥」

 「持ち込み?‥‥‥回復薬か?」

 「いえ、素材です」

 「例えば?」

 「茸‥‥‥《魔蟻ダケ》ですけど‥‥‥」

 「本物か?」

 「本物の筈です」

 「他は?」

 「あとは《強者ニンニク》」

 「マジか‥‥‥‥‥査定してもいいか?」

 「勿論」


 ローズは予め取り出しておいた《魔蟻ダケ》と《強者ニンニク》を1つずつハンスに渡した。

 ハンスは眼鏡をかけるとじっくりと見つめる。


 「‥‥‥‥‥本物だな。質も良い。もっとあるのか?」

 「いえ、それだけです」


 ‥‥‥本当はもっとあるけど言わない方が良いわよね。


 「基本は冒険者からしか買い取りはしないんだ。だが、嬢ちゃんはノトの妹弟子だし、魔女見習いなんだよな」


 そう言いながらハンスはローズの魔女見習いのブローチをチラリと見た。


 「貴重な素材であれば、冒険者以外からも買い取りする事はある。但し、身元がしっかりしている者に限るがな。魔女見習いの登録が出来たんだしノトの妹弟子だから大丈夫だとは思うが‥‥‥訊いていいか?保護者はいるか?」

 「保護者‥‥‥親ですか?います。ノトと私の師匠でもある‥‥‥《森の魔法使いリルベ》です」

 「なんだ、そうか。森の‥‥‥え?‥‥‥《森の魔法使い》殿‥‥‥か?」

 「そうですけど‥‥駄目ですか?」

 「いやいやいや、駄目なものか。《森の魔法使い》殿の娘‥‥‥」


 ‥‥‥言っても大丈夫よね?ゴブリンに襲われた時、いろんな人に言ったもの。


 「そうか‥‥‥嬢ちゃんが‥‥‥」

 「ん?」

 「ちょっと前に噂になったんだよ。《森の魔法使い》殿には娘がいるって。そうか、嬢ちゃんがそうなのか」


 ハンスはローズをじっと見つめた。


 「よし、いいぞ。買い取ろう」

 「本当に?良かった」

 「何でノトと一緒の時に言わなかったんだ?」

 「それは‥‥‥」


 ローズは手を添えて小さく言った。


 「おこづかいが欲しかったから」

 「へ?おこづかい?」

 「そう。私だけのお金。自分で稼いだお金」

 「‥‥‥そうか。まぁ、欲しいわな。それじゃノトには内緒か?」

 「そう!」

 「ははは、まぁいい。今、金を用意する」


 そう言うとハンスは奥に行き、直ぐ戻ってきた。


 「これだ。直ぐ仕舞え」


 手に握ったお金をローズに見せる。

 ローズは受け取ると直ぐにポーチに仕舞った。


 「()()はどうやって手に入れたんだ?」

 「《魔蟻ダケ》はたまたま巣を見つけたの。それでちょっと貰っちゃった。《強者ニンニク》はお父様がたくさん持っていたから少し分けて貰ったの」


 ‥‥‥本当の事は言えないわ。どちらも貴重だって言うし、こんな小娘が持っているの不自然だもの。お父様が持っているぶんには問題無いわよね。


 「そうか‥‥‥《森の魔法使い》殿はたくさん持っているのか‥‥‥」

 「どうしました?」

 「え?いや、何でもない。もしまた分けて貰ったら、持ってくるといい。買い取りするぞ。大歓迎だ」

 「本当に?良かった。その時はお願いします」

 「おぅ」


 ローズは笑顔で買い取りカウンターを後にした。

 チラッとノトを見るが、まだ話をしている。


 ‥‥‥気付いては無いかな?


 ローズはロータスの元へと歩いた。


 「姫様、何をしていたので?」

 「ロータス、姫様は駄目よ。ローズって言って」

 「すみません。ローズ様」

 「ローズよ」

 「はい‥‥‥ローズ」

 「うん、それでいいわ」

 

 -----ローズ、ベリル様とノトには内緒なんだよな?-----


 「そうよクリムゾン、内緒」

 「ひ‥‥‥ローズ、何が?」

 「ロータスも、今見た事は内緒ね」

 「 ? はい‥‥」


 ‥‥‥此処で買取りしてもらえれば私のお金を増やせるわ!お父様からもらったおこづかいはまだまだあるけど、自分で増やしたいもの。少しずつね。 また、《魔蟻ダケ》持ってこよう。《強者ニンニク》はあんまり持ってないから、取りに行けたらいいな。行けるかな?

 


 そんなあれやこれやを考えていたら、ノトが話を終えて此方にやって来た。


 「お待たせローズ。ハンスさんと何を話していたの?」


 ‥‥‥しっかり、バレてる。


 「あの、買い取りの事を教えてもらっていたの」

 「ふぅ~ん、そっか」

 「べ、勉強になったわ」

 「良かったね」


 ノトがニコっと笑う。


 ‥‥‥なんか、後ろめたい。


 自分が悪い事をしたような気分になったローズであった。



読んでくださり、ありがとうございます✨

またおつきあいくださると嬉しいです。

皆さんに良いことがありますように✨

 :*(〃∇〃人)*:

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