100話を記念して ∗∗∗創世の女神と古代竜のお話∗∗∗
見つけてくださり、ありがとうございます✨
とうとう100話です!
100話を記念して、ちょっと違うお話と挿し絵を描いてみました。
拙いイラストですが、物語の世界を想像する参考にしてくださると嬉しいです。
次話からストーリーの続きとなります。
海だけが何処までも広がっているその星に、ひと柱の女神が降りていきました。
「ほんに何も無いのぅ‥‥‥海だけじゃ」
女神は溜め息をつくと覚悟を決めて両腕を広げました。
自身の力を存分に振るい、まずは自身が住む島を造りました。
そして、次々に海しか無かった処に大きな陸地を造っていったのです。
大きな陸地は女神の住む島を囲むように東西南北にありました。
陸地は岩や土ばかりで草すら生えておらず、生き物は何もいませんでした。
一方海の中にはやっと原初の生命が生まれようとしているところでした。
「これから生き物を創造するのは骨が折れるのぅ‥‥‥」
何から手を着けるかと思案している女神を、遠くから見つめる存在がおりました。
その存在は大きな鏡を通して女神を見ていたのです。
「お前達、あの女神が見えるか?」
「はい、御祖様」
「これより、お前達はあの女神の元へ行き女神が世界を創造する手助けをするのだ。良いな?」
「はい、畏まりました」
8体の竜は跪き、御祖に挨拶をしました。
この8体の竜は、竜が住む星から呼ばれた者達でした。
金、銀、黒、白、赤、黄、緑、青の鱗を持つ美しい竜達は女神の元へと向かいました。
暗い宇宙を光の様に翔んでいきます。
そして、女神がいる星へとたどり着きました。
「女神様、我々は《 根源の御祖様 》から、女神の手助けをせよと命を受け参りました。何なりとご命じくださいませ」
「おぉ、根源の御祖様が?なんと嬉や」
女神は大層喜びました。
そして、竜達に命じました。
金と銀には自身の脇士となるように命じました。
赤、黄、緑、青には各々南、北、西、東の大陸を任せました。
「自分達の好きなように創造するが良いぞ」
女神の力を借りながら、竜達は何も無かった大地に山や川、植物や生き物を造っていきました。
小さな虫から大きな動物まで様々です。
そして4つの大陸は、其々の竜が住みやすい土地になりました。
最後に女神は、黒には死者が住まう冥府の管理を、白には浄化された魂が輪廻の環に入る手助けを命じました。
「これで一通りは出来たの。後は生き物達が各々やってゆけば良い。そなたら手出しをしてはならぬぞ。‥‥‥‥‥多少は構わぬが」
竜達は女神の言い付け通りに手出しはせず、見守る存在となりました。
また、女神は自ら、大きな力を持つ者達を造りました。
創造に関わった竜に似せた竜族、風の属性を強く持つフェンリル族、火の属性を強く持つガルーダ族です。
強い力を持つ彼らは聖獣と呼ばれました。
竜族と創造の竜を区別する為に、8体の創造の竜は古代竜と呼ぶ事となりました。
古代竜は自らが造った大陸を見守る存在です。
南の大陸は、火のカーネリアン
北の大陸は、地のヘリオドール
西の大陸は、風のエスメラルダ
東の大陸は、水のベリル
古代竜の名前です。
どの大陸も魔素が充ちていた為、一部の生き物達は魔素を取り込み魔力を手に入れ魔物や魔獣となりました。
人も同じです。
強い魔力を手にした者達は魔人族-----後に魔族と呼ばれる-----となり、ただの人とは違う姿となりました。
ですが何故か、ただの人の中に時々強い魔力を持つ者が生まれました。
姿はただの人と同じです。
理由は分かりません。
生き物達はどんどん変化していきます。
持っている力も能力も様々です。
そして大陸には数えきれない程の種類の生き物が誕生していったのです。
女神や古代竜にとっては、狂暴な魔物や魔獣であっても創造の結果生まれた子どもなのです。
どれか一種だけを特別扱いはしません。
平等です。
ある種族が滅びようとしていても、ただ見守るのみなのです。
ですが、1度だけ女神と古代竜が介入した事があります。
1000年前の魔族と人族の戦いです。
理由は、この世界の者ではない者が関わっていたからです。
こういう理由でもない限り、女神と古代竜は介入しません。
見守るのみなのです。
参考までに‥‥‥‥‥
∗ ∗ ベリルが住む森の家周辺の地図 ∗ ∗
読んでくださり、ありがとうございます✨
また、おつきあいくださると嬉しいです。
皆さんに良いことがありますように
✨:*(〃∇〃人)*: