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祭壇の前で
やがてリナが俺の目の前にやって来た。
夏子がリナの手から一旦ブーケを預かりに
来る。
予定通りだ。
リナは微笑を浮かべ、俺を見て頷いた。
目に涙を一杯に浮かべてる。
彼女は感極まったようだ。
俺も嬉しくて涙が出そうになる。
リナが横に並らぶと、俺達は列席者に向かって一緒に頭を下げた。
それから祭壇の方に向き直る。
マイケルが満足そうに頷いてから、説教台の向こうで結婚式の開会を宣言した。
「ただー今かーら、ヨコヤマカズーヤさんとタカーハシリーナさんの結婚式を行います。
それでーは皆さん、賛美歌のしおーりを開い
てくーださい。賛美歌第312番、『いつく
しみ深き』でーす。ハイ!」
マイケル神父のかけ声で、会場の音響システムから音楽が流れ出した。
マイケルが飛び跳ねる様に指揮をとる。
まったく元気の良い神父だ。
俺は危うく吹き出しそうになった。