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マイケル神父
神父のマイケルは青い目をした白人の男性だった。
イントネーションは変だが、なかなか日本語が上手く、面白い人だ。
白人にしては背が低く、白い法衣がダブついてる。
彼は控室で俺達に、教会式の段取りを色々と説明してくれた。
新郎新婦それぞれの入場の仕方や、賛美歌の曲目、永遠の愛の誓いや、結婚証明書への署名の仕方、指輪交換のタイミングや、花嫁へのキスの仕方などだ。
「カズーヤさんは、キスは、頬っぺーたに
されまーすか? それとも、口びーるでー
すか?」
「その時、考えます」
と俺は答えた。
「オーケーです。花よーめの、ベールを上
げてから、キスして下さーいね。リナさん、
楽しーみですね。それでーは、行きましょ
うか、レッツゴー!」
神父のかけ声で俺とリナは席を立った。
◇◇
控室を出るとマイケルは、
「スィーユーレイター!」
と言って、そそくさと裏の通路から教会の中に入って行った。
教会の扉の前では、係員達と一緒にリナの父親が緊張した面持ちで俺達を待ってた。
少し涙目になってる。
ロマンスグレーのリナの父親は背が高くて
イケメンだ。
俺達は一礼し、リナの父親の横に並んだ。