ー朝ー
小鳥が鳴いた、親鳥が泣いた。鶏が鳴いた、雛が泣いた。
鳥の声が響く。
あぁ、朝だ。
朝。
目覚め、下に降りると朝ごはんと置き手紙があった。手紙には
《ごめーん!今日仕事が朝早くに入っちゃって...朝ごはん食べたら、キヨにご飯あげて学校行ってね♪昨夜はいなかったけどたぶん帰ってると思うから。》
キヨ、とは家で飼っている猫の事だ。あいつまた散歩いったのか...しかも朝にも帰ってないなんて...
ん?
そこで、僕は違和感を感じた。霧を掴むような...そんな、よくわからない、違和感。
まぁいっか。
「いただきます。」
小声でそう呟くと、昨日の残り...否、朝ごはんを口に運ぶ。
あ、温めるの忘れた。冷てぇなぁ...
ふと思い立ちテレビをつける。今やってるのは...あ、朝の情報番組か。相変わらず好き勝手なこと言ってるなぁ...
そんな感じでご飯も食べ終わり、ゆっくりと支度をしていると、ズボンを履きかけたところでインターホンが鳴った。
『瞬君いますかー?迎えに来ましたー!』
っち。朝から声がでけぇんだよ。
取り敢えずズボンを履いてドアを開ける。
「おう。おはよう、瞬。」
「...おはよ。ちょっとリビング上がって待ってて。」
分かった、という返事を聞いたところで自室へ戻り支度をする。
下に降りると、下げておいた食器を徹が洗っていた。
「いや、お前なにやってんの。」
まぁありがたいですけども。
「いや、なんか水に浸してあるだけの食器があったからさ?」
いや、理由になってない...そんなことを思ってるうちに洗い終わる。
「さぁ、行こうか。」
「うん。」
教室。ガヤガヤとうるさい。
「そんでさー、可愛い子がいたんだけどー、」
ほんとにうるさいな...
「あ、ねね、昨日のクイズ特番みた!?あれ全然俺わかんなくてさ...」
特に隣のやつが!!!
「いやお前うるせぇよ。」
「ん?いや、お前は聞いてればいいんだよ。聞いてるだけで楽しいだろ?」
いやいや勝手に決めつけ...まぁ飽きはしないけど。
「でもさ...!」
ガラガラッ!
先生だ。もうHRの時間か。
だんだんと席に戻り、静かになってく。
「きりーつ。れーい。」
《《おはようございまーす》》
「ちゃくせーき」
なんとも気の抜ける声だな。やるきあんのか。って毎回思う。いやまぁやる気ないのは漏れ無く俺もだけど。
「よし、みんなおはよう。今日の予定は...」
当たり障りのない朝の挨拶がすみ、授業準備にはいる。
なにもかわらない。退屈な日々だ。。