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異世界まるごとクリエイト  作者: 里田うい介
7/9

モンスターとドラゴンと

 さて、次はモンスターでも作りますか。


 最初は他の人種(亜人?獣人?呼び方どっちだったっけ?まぁどっちでもいいか)を作ろうと思っていたのだがやめた。

 ジーゴ村の戦闘試験でグリズリーを少し弄って使ってみたら、思いの外難易度高めのちょうど良い攻略目標になっていた。


 これが強すぎたり弱すぎたりしたのなら、「こんなもんかな〜」ぐらいで終わらせて他の人種を作ろうとしたかもしれないが、中々見応えのある戦闘だったので先にモンスターを作りたくなったのだ。


 人間の作成も一段落終わった所だし、この次はどれから始めて同じだと思った。

 と言っても、モンスターの種類なんてゲームなんかだといっぱいいる。

 動物系のモンスターだけでも何十種類も作れるし、色違いで名称だけ変えて種類を増やしたりとか。


 作ろうと思えばいくらでも作れてしまうので今回はこの前に戦闘した熊と狼のモンスターを一種類ずつだけ作ろうと思う。


 最初はスライムにしようと思ったが、ジーゴ村の一件のように他の村でも実験したいので、今の所あまり弱いモンスターを作る必要はないと思ったのだ。

 いや、スライムにも色々いるし作品によっては凄く強いスライムもいるので一概にスライムが弱いという事ではないが、一応スライムは雑魚にする予定なので。

 後々強いスライムも作りたいとは思うがいつになることやら。



 さて話を戻して熊と狼のモンスターを作っていこう。

 だけど先に決めておかなければならない事がある。

 まず動物とモンスターの違いってなんなんだろうって事だ。

 その違いをちゃんと分けないと『ちょっと凶暴な動物』という括りになってしまうのではないだろうか。

 なので先に動物とモンスターの違いを決めておこうと思う。

 と言っても、もう考えてあるんですがね。


 それは『目』。

 今まで昔の物語、ゲーム、漫画等を思い返してみると目が赤いキャラが総じて敵だったりモンスターだったりする。

 勿論違う場合もあるが、そういう印象を持っていた。

 例えばスケルトンだが、目はないがその奥に赤く怪しい光を放っていたり。

 ヴァンパイアも赤目の印象があるしな。


 それに赤い目は凶暴なイメージもあるので最適だろう。

 これは俺の勝手な想像だが。


 なので目が赤くなっている者をモンスターと区別する事にした。

 赤目の人種も作りたいので、白目の部分が赤い者をモンスターにしようと思う。

 人間達の方も『凶暴な動物→目が赤い→モンスター』と区別出来るようになれる筈だ。

 それを認識するだけで凄く時間がかかりそうではあるが。

 まぁ一応暫定として赤くするので、後々この設定は変えるかもしれないが。



 それでは作っていきますか。

 やり方はこの前の三人組にけしかけた熊を参考に作っていこうと思う。

 まぁ最初だしその辺は適当に。

 まず目を赤くして凶暴性を持たせあと身体能力も少し上げておこう。

 あれやこれやと実験、修正しながら作業を繰り返していく。


 こんな作業ばかりやっていると飽きも来てくるので、他のモンスターの構想も考えていきますか。

 人間作っている時は、ただ性能やら調整やらを延々と繰り返しやっていたので、俺何やってるんだろうと思っていた程だ。

 別に人間を作らなくてもいいんじゃないかとね。

 でもこの世界、動物がいるだけで何も面白味がないんだもの。

「自然は素晴らしい!」以外、何を思えと?


 ……話が脱線したが、他のも考えておけば人間だけを作るなんて苦行をしなくてもよかったって事だ。

 なので、気分転換も兼ねて他のモンスターの構想も考えていく。



 これが思いの外いい気分転換になった。

 と言うよりそっちの方を考えるのがメインになってきてしまった程だ。

 これじゃまずいと思いつつも楽しくてやめられない。


 なんだかんだ色々考えた後、元の作業に戻って実験を繰り返していたのだが、結局他のモンスターも作ってしまった。

 考えるとキリがないと思いつつも色々作りたいっていう欲望には勝てなかったよ。

 楽しかったので仕方ない。


 ふと思ったが、このままモンスターをいっぱい作るのもいいがボスみたいな強いモンスターも一緒に作ってみるのはどうだろう。

 色々脱線しているのは分かってはいるが別に急ぐものでもないし、どうせいつかは作ろうと思っていた事だ。



 そうと決まれば善は急げ。

 いや急ぐ必要もないのだが。

 始めにボスモンスターの行動範囲だけは決めておこうと思う。

 じゃないといきなりボスモンスターが人里に下りて蹂躙なんて事になりかねないし。

 それも試練だと思って放置するのも手だが、やっぱり最初からハードモードはやめておきたい。

 という訳で、場所としては山ならその山一つ分、山脈とか海ならその一部分をボスモンスターの行動範囲テリトリーとして移動に制限をかけていこう。

 これで普通じゃ太刀打ちできないボスモンスターも領域から出る事はしないので少しは安心だろう。

 とは言え普通のモンスターはそんな制限をかけるつもりはないので近くに村とかあったら襲ってくるのだが。

 まあ人間はそんな事を認識している訳でもないので、後は時が経つにつれ徐々にそういうものだと認識されていければと思う。


 さて、ボスモンスターを作るのはいいがどんなモンスターにしようかな。

 各地にばら撒く予定なので、ボスモンスター一種類だけという訳にもいかない。

 色んな場所に色んなバリエーションで強さもピンキリであった方が面白そうだ。


 一番に思いついたのはドラゴンだ。

 ドラゴンなら一種類作ってもまだまだ違う種類があるし、実験の為に一体ぐらい作っておこうと思った。


 と言う訳でドラゴンを作ろうと思うが、どんな種類にするか。

 初めてだから無難なのにしたい。

 が、ドラゴンを作るとなるとテンションも上がる。

 どうしようかと思ったが一番に思いつくのはやはり炎のブレスを吐く翼竜型のドラゴンだろう。

 なのでこの最もポピュラーなドラゴンを作っていくとしよう。



 …………


 ………


 ……


 …



 ドラゴン、作ったはいいが無茶苦茶大変な作業だった。

 ……これ、もしかしたら人間を作ったよりも大変だったかもしれない。


 まず形は既存の動物がいないので人間の時同様、実験と調整を繰り返し行い、更に飛ぶ為の翼の形やブレスを吐く火袋を体内に入れなければならない。


 ドラゴンと言えば強力な力と相手を畏怖させるような大きな姿を想像して、そのイメージと合わせるように形を作っていく。


 そうなると翼で飛ぶのは物理上不可能なので飛ぶ事自体は魔法に頼らざるを得ない。

 だけど魔法を使って飛ぶともなるとその大きさ(最低でも十メートル以上今回作ったドラゴンは二十メートル程)を飛ぶ様にするだけで、かなりの魔力を使う事が分かった。

 これだと他の事に回す力がなくなる上に翼が何の意味も持たないので、魔力は浮かせる分だけ。

 後は翼の使い方で進行方向を決めたり目的の場所に降りる調整をさせる様にした。

 これだけでもかなりの時間が掛かった。


 揚力なんて言葉を知っていても実際実験して試してみると難しすぎる。

 ほんの少し左右のバランスが違うだけで、あらぬ方向に飛んでしまう。

 あ、この時は揚力の仕組みをちゃんと覚えようと飛行機の模型を作って遊ん……勉強してました。

 ま、まぁそんな感じで魔法と翼の使い方をクリアしていきました。



 その次はブレスの問題だ。


 当初ブレスは魔法だけで行う様にする事も考えていたが、それなら口から吐く意味ないなと思い直し、その理由付けの為に火袋(ブレスを吐く為の燃料)を体内に付ける事にした。


 これがまた厄介。

 そもそもどうやって口から吐かせるの?

 口の中火傷しない?

 更にどうやって火袋に燃料を供給する?

 内臓を作り変える?

 等々、ブレスを吐かせるってだけで思いっきり暗礁に乗り上げた。


 解決は一つ。

 魔法を使う。

 いやいやそんな単純な話じゃない。

 やろうとしたら自分が考える最強のドラゴンなんかも作れてしまうが、そんな事をすればパワーバランスがおかしくなってしまう。

 今、自分が作っているのはモンスターとしてのドラゴンで人間でも討伐可能な程度にしておきたい。

 だからドラゴンと言えども魔法を使える容量は多くし過ぎないないようにしなければ。

 だからと言って人間一人で討伐出来るような弱いドラゴンを作る気はないが。


 話を戻そう。

 ブレスの一部分を魔法を使ってドラゴン本体には影響しないようにしたのだ。

 これによってドラゴンのブレスは物理的な炎と魔法による混合のブレスになった。

 更に実験を繰り返していく内に面白い事が出来る事が分かった。

 炎と魔法を混ぜ合わせ指向性を持たせる事によって、光線のようにしたり扇状にしたりと色々使い分けられる様になった。

 これだけでもブレスの使い方一つで強力になった気がする。



 次に順番が逆になってしまったが、火袋の問題だ。


 魔力消費を抑える為火袋を入れようと思ったが、これが中々な難問だった。

 まず身体の何処に入れるか?

 どうやって火袋にエネルギーを貯めるか?

 どうやって放出するか?

 これにも何百回、何千回と試行錯誤を繰り返した。


 そして行き着いた答えは、

 場所は内臓、主に消化器官の付近にした。

 食べた物を効率よく火袋にも送る為だ。

 更に腸の方にも管を通し不純物を火袋で再利用出来るようにした。

 火袋については後で改良を加えて種類を増やすつもりだ。

 毒袋とかね。



 これでとりあえずはドラゴンの完成だ。

 ちゃんと生き長らえる事が出来るかまずは人目につかない所に置いて観察してみよう。

 さてどこら辺に置いとくかな。

 って……









「えっ?あっ、ちょっ……?!」


 あーーーーーーーーーーっ!!!!

読んでくれた方ありがとうございました。


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