第9話「地獄遍路の案内人①」
ギリギリ間に合いました!
第2話に登場するヒロインの名前を変更しました!
近々タイトルも変更する予定なので(仮)をつけさせてもらいました。
今時分に何が起きたのかよくわからないが、とりあえずこの簀巻きになっているゴブリンをどうにかしないと。
ーーーーではマスター、その手に持ってるナイフでゴブリンの首を刈っきって下さいーーーー
考えているとまた守護霊が指示をしてきた。だがこのまま言われた通りにやるのは気が進まない。面倒臭いがここらで少し聞いてみるか。
「その前にいくつか質問に答えてくれ」
ーーーーなんでしょうか?ーーーー
「まず、ここはどこだ? 」
ーーーーここはカノイ国にある魔の森で位置としては北西に当たります。現在この国は『風』の魔力を宿す狸族の支配下にありますーーーー
「魔力?この世界には魔法があるのか? 」
ーーーーはい。主に『火』『水』『風』『土』『闇』『光』の6つがあります。マスターには全ての魔法の素質と一般人の5万倍の魔力が備わっていますーーーー
「5万倍!? まあその辺はとりあえず置いといて、さっきの『能力』って何のことだ? 」
ーーーー『能力』とはマスターが授かった『完全無視』のことでしょうか。これは能力者の認識している世界が、能力者が『選択』した対象の存在を否定することで、対象がもたらすいかなる影響も『なかったこと』にする力です。またこの力は能力者であるマスターが触れたものにも作用させることができますーーーー
「こ、ゴブリンは俺に『選択』されたから俺を切ろうとしても、その行為事態『なかったこと』にされたと。小難しいがなんとなくわかった」
ーーーー流石私のマスターですーーーー
「そんでさっきからマスターマスター呼んでるが、お前は誰だ? 」
ーーーー何度も申し上げている様に、私はマスターの守護霊ですーーーー
「それ、背後霊の間違いじゃ」
ーーーー守護霊です!ーーーー
「でも」
ーーーー守・護・霊・で・す!!!!ーーーー
「わかった! わかったからそんな耳元で叫ぶな! でもなんでそんなに土地勘とか詳しいの? 」
ーーーーそこら辺にいる浮遊霊にじんも、聞き込みをしましたからーーーー
「ほとんど言ってるし。それでこのナイフでとどめをさせばいいんだな?」
ーーーーはい。そいつらは害獣ですから、リリースする必要はありませんーーーー
「ふーん。じゃあさっさとやるか」
そう言うが早く俺は持っていたサバイバルナイフでゴブリンの首を切り落とした。途中ぎゃあぎゃあ騒いでいたが、終わればあっという間だった。生き物を殺したという事に対しては思ったほどショックを受けなかった。そして二つのしゃれ頭を縄に結びつけると、守護霊に最後の質問をした。
「なあ、ここは異世界なのか? 」
ーーーーはい。マスターが元々いらした世界とは別の世界で間違いありませんーーーー
ああ、本当に異世界に来てしまったんだなと、この時俺は初めて実感した。
ブックマーク、評価ありがとうございます。これからも温かい目で見守って下さると幸いです。