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第4話「迷子」

寒い日が続きますが今日も投稿しますよー

 さっき絡まれた奇妙な二人組のことを頭の済みに追いやり、竹藪の奥へ奥へ進む。もっと人がいない場所を目指して歩を進める。周囲がだんだん暗くなっても、鬱蒼と茂った名前がわからない植物が道を隔てても、猛獣の鳴き声らしきものを聞いても、月明かりを頼りにサバイバルナイフで道を切り開き、とにかくこの『竹藪』の中を


 ……もういいか。

 俺は歩くのを止め、空を見上げながら呟いた。


 「ここどこだよ」


 まず確実なのは住宅街ど真ん中にある『竹藪』ではない。こんなに広くないし、そもそも竹が一本も生えてない。 そして恐らく日本でもない。さっきから聞こえる鳴き声はゴリラかチンパンジーのものか? 時々狼の遠吠えらしきものも聞こえる。近くに動物園でもあるのでは? という考えも浮かんだが、それは空を見た瞬間に即却下した。

 目に飛び込んできたのは静寂に浮かぶ大きな惑星と、その右と下に一つずつ計3つの月。色は一番大きいのが青で二番目に大きい右の月が黄色、そして3つの内一番小さく下の方にあるのが赤い月。



 結論を言おう。どうやらここは日本どころか地球でもないらしい。


 「どうしてこうなった」


 一旦落ち着こう。俺は梅宮ハヤト15歳。那楼中学校三年生。今日は2月15日。受験生なのにこんなことしてられるのは既に希望した高校から推薦で合格通知を頂いてるのと……もう一つの理由はいい。考えたくない。そもそも高校のことだってもうどうでもいい、筈だった。計画なら今ごろそんな煩わしいことで悩まされない予定がどうしてこうなった。

 考えられるのは次の3つの内どれかだ。


1.

首○りに失敗しちょっと予想より広い竹藪(?)で迷子になっている可能性。

2.

首○りに成功し脳に酸素が行き渡らなくなったために幻覚を見ている可能性。

3.

首○りに成功し三途の川をスルーして死後の世界をさ迷っている可能性。


 「1」は有り得ない。もう何時間も歩いてるのに出口どころか建物の影すら見えないのだから。空のことは云わずもがな。「2」は有り得そうだが、この大地を踏みしめている足先の感覚や肌で感じる風の動き、そして右手に持っているサバイバルナイフの重み。これら全てが幻覚とは思えない。となると残るは「3」だが、ここは地獄か天国か? 今のところ前者の方に感じるが、地獄ってこんなジャングルみたいなのか? ちょっと想像してたのとギャップが大きいのだが……。

ブックマーク、評価ありがとうございます。これからも温かい目で見守って下さると幸いです。

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