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第三章 高谷まひる その7

     7 『(しん)() (よう)のターン』

 心羅陽の出現によって場が急変した。

 鏡菜とまひるの緊張感がこちらまで伝わってくる。

「心羅さん、あなたはなんてことを!」

 倒れ伏すハンコを見ながらまひるがそう叫ぶが、助け起こそうとはしない。

警戒心を抱いている。それを見てボクはすぐに悟った。

 陽の相棒である、虎乃新だ。

「存在を消す結界を作り出す能力か。やっかいだな」

 鏡菜のぼやきを聞きながらボクは何もない空間に問いかける。

「虎乃新、お前は逃げろ。その能力なら月葉家にも見つかりっこない。だから、手を引け」

「フウフウ、お前は何もわかっちゃいないな」

 どこからともなく声が届く。意識を集中する。声の発生源を見逃すな。

「オレは、自分の意思で陽についているんだ」

 背後を振り返った。居た。戦郁の部屋の中。二階だ。

「それからオレは、未来のことなんて、どうでもいい」

 ボクは飛んだ。虎乃新の背後に降り立つ。その背にボクは言う。

「お前の家はよく覚えているよ。いいから帰れ」

 彼の家、彼の部屋、それから家具の配置を脳内に思い浮かべ、手を伸ばした。驚いて振り返る虎乃新。遅い。ボクは彼に、触れた。

「…………?」

「お前の能力は耳にしている。本当にすごいな。触れた物などを瞬間移動させるなんて。だけど、知っていたからこそ、こうやって対策を練ることが出来た。お前が飛ばしたのは、オレが繰り出していた結界だけだよ」

 そう言って姿を消す虎乃新。その行為を見てボクは、宣戦が布告されたことを知った。


つづく


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