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赤い翼
この国は温暖で、笑顔の絶えない陽気な人達が多かった。
この国は朱雀という神様が守護をしているらしい。
その朱雀は人間の格好をしているらしい。
腰まである黒い髪と血のように赤い瞳と唇らしい。
色白でなんとも妖艶であるらしい。
朱雀か無くなるとき、この国は終わりを迎えるらしい。
らしい。
そう。全ては本当かどうかわからない
絵空事のような話。
祖父や祖母が、または、母親が孫、子供に本当のように
話してきた、昔話。
その昔話は口からの伝承のため、
何世代か後には、すでに形を変えているし
このての話は何千通りと話が変化していた。
そんな話だから、本当の事を知っている人は
殆どいないだろう。
ただ、此だけは共通している
「朱雀が無くなるときこの国は終わりを迎える」
という一節。
恐らく、神を敬うためにこのような事を
最も素直に覚えやすくして、言い伝えて来たのだろう。
全ては物語。
全ては祖先から形を変えてきたたんなる昔話。
そう、
思っていた




