2話:ポーション作成
タイトル、ステータスの表記が予告なく変わる場合があります。
ご容赦下さい。
また、1日200文字程度しか執筆をしていません。
重ねてご容赦下さいますようよろしくお願いいたします。
…親から殴られ、死にかけ、気付いたら街道で薬を飲まされていた。
薬を飲むだけですぐに体の傷が消えていったことに驚き、周囲の風景が道に森に城壁と、日本ではないことはさすがにわかった。
おそらくは違う世界に来たということも。
元の世界に未練はないので戻ろうとも思えない。何もする気がない。
そんなことを考え、意識を手放すと気付いたらベッドに運び込まれていた。
その後、リイさんに世話をされたが、何もする気が起きなかった。
ある日リイさんに街を連れられ錬金術を教えられ、これからは一人でやれるようになれと言われた。
俺が自立するのを手助けしようとしてくれている。
ありがたいことなのだが、俺の中にはなにもする気がなかった。
リイさんが出て行くと、そのままベッドで寝続けた。
腹は減り、のども渇き、めまいや吐き気、のどの痛みを感じたが体を動かそうと思えなかった。
すると1ヵ月後に来るはずのリイさんが2日後に来て、子猫を押し付けられた。
リイさんが出て行った日の夜から鳴き続け、翌朝には静かになり、そこから一日放置した子猫を治療した上でだった。
手の中で眠る子猫を見る。
体温が高く、暖かい。
…親に捨てられたのか、はぐれたかはわからない。
こいつの面倒を見る義理はない。それに、本来なら死ぬ運命であったのではないだろうか。
…でも。
それでも…。
やることはわかっている。依頼を受け、素材を集め、錬成し、作ったものを渡して依頼を達成し、お金を得る。
とりあえず、手持ちにはあと3つのミドリソウと、瓶が98個ある。水は蛇口をひねれば出てくる。この世界には井戸もあるが、魔道具という魔石を使って作られた道具がある。水の力が入った魔石を使ったこの魔道具から水が出てくる。
陣の中、3箇所の円にミドリソウ、桶に入れた水、瓶を置く。後は魔力を流すと…。
「…できた」
ポーション完成。品質は59。売る分には問題ないと言っていたから大丈夫だろう。
続けて残り2個も作ろうとする。もう一度素材を配置し、錬成。品質60のポーションが完成する。
問題が起きたのはこの後だった。さらに素材を配置し錬成…しようとするが、できない。陣に魔力を流しているはずなのに何も起きない。元から作る力がないのかとも思ったがさっきは成功している。何が足りない…足りない?
もしかして、と思い冒険者ギルドのカードを出しステータスを見ると、
MP:0/2
と出ている。
つまり、MPが切れて錬成できないのだろう。魔力を流している感覚はあるが、おそらくMPを0.00…1くらい流しているためか?
確証を得たいのでリイさんから貰った本を手に取る。時間を確認して本を読み始める。
『錬金術の基礎』を読みすすめる。錬金術は魔石を粉上にした物に使用者の血を吸わせ、それで陣を描く。陣には使う素材、どのように加工するかなどを書く。完成したら魔力を流す。上手くできていれば完成する…。
ここまでは昨日と今日、やったことでわかっている。
そして、さらに読み進め、陣に書かれた内容により使う魔力が決まる、と書かれている一文を発見した。
他にも、素材や加工法により消費する魔力量は異なる、魔力を減らしての錬成は可能だが品質が目に見えて低下する、逆に多めに魔力を使うと品質が少し上がる…などが書かれていた。
だが、今そんなことはどうでもいい。
錬金術で魔力を消費することがわかった。しかし俺のMPは2しかない。ポーションの錬成はおそらくMPを1消費する。
…これでどうやって世の錬金術師は生活しているんだ?MPが100くらいないと厳しくないか…?
考えてみる。ポーションが1個1000セリンで売れたとする。25万セリン稼ぐには250個作ればいいから…この世界は一月が30日、1年が12ヶ月…1日10個作れればいいのか?MPが1日で最大値まで回復するなら、MPが10あればやっていけるってことか…。おまけに錬成でかかる時間はほぼ一瞬だし。あれ、かなりいい商売なのか?
だが、俺の場合はMPが足りない。このまま待っていたところで月末までに金を用意することはできないのが現状だ…。
そして、手っ取り早そうで解決の糸口になりそうなのは…。
「冒険者…」
ギルドカードまで持っているのだから、使わない手はないか…。どの道素材を集めに行く必要があるしな…。だが、俺のステータスは1桁しかない。この数字がこの世界で高いとも考えられないし…。
…まずは情報収集か。いや、その前に…
「………」
子猫用の餌を買いに行くか…。
桐崎 空
LV :1
HP :6/6
MP :0/2
力 :2
敏捷 :3
体力 :1
魔力 :1
抵抗 :2
器用 :6
スキル:【錬金術Lv1】【薬学Lv1】