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13話:「絵でわかる調合」②

【6月5日】


 昨日は毒消しポーションを作った後MPが無くなるまでポーションを作成しました。そして、作り終えると何もせずだらだらと過ごしていました。

 そして本日。参考書片手にまた新しく錬成陣をソラは書いています。

 本日作成するものは状態異常暗闇用の薬です。


 状態異常暗闇は眼の角膜を魔力によって覆うことで光を遮り、一時的に視界を奪ってしまいます。情報収集の大部分を視界に頼っている人間がこの状態になれば、ほとんど行動不能といえるでしょう。もちろんスキルや魔法で周囲の情報を得ることができる人もいますし、5分もすれば自然治癒するらしいのですが。


 まず、水を置く円を描きます。そして、この水から不要物を取り除き、純水にすると書き加えます。ここから先は毒消しポーションと同様です。ミドリソウ、前回購入したダネア草をそれぞれ置き、両方の円から水の円に線をひき、ぞれぞれの線には体力回復成分抽出と暗闇除去成分抽出と書きます。水の円からガラス瓶の円にも線を引き、抽出した成分の入った水をガラス瓶に入れる、と書きました。


 陣が完成すると、さっさと錬成を始めます。陣が淡く輝くと共に、自身の魔力が抜けていきます。ポーション作成よりは大目にMPを消費した感覚がありました。やがて陣の輝きがなくなり、液体の入った瓶が残ります。


(…)


 以前にも増して、ソラの反応は薄くなりました。それでも鑑定を行い、特に問題がなさそうであることを確認します。

 ちなみにこの薬、暗闇回復ポーションの使用方法は目にかけるだけです。そうすることで、角膜にある魔力を取り除き回復します。その際には目を瞑っていても、隙間から入り回復するため問題ありません。体の表面にある魔力を取り除くため、このような方法で使用できます。




【6月6日】


 ソラは今日も今日とて新しい錬成に挑戦します。

 まず、円を二つ描きます。そして、片方には布を、もう片方にはミドリソウを置きます。その二つの円を繋げ、ミドリソウの円には治癒に関する成分を抽出と書きます。布を置いた円には吸収性の高い10センチ四方の布を生成と書きます。両方を結んだ線から新しい線を繋げ、円を描きます。今回はこれで完成です。

 なにも考えずにソラは錬成します。淡い光と共に、何事も無く成功しました。

 今回作成したものはヒーリングガーゼです。

 これを出血部位にあてがい、強く圧迫することで止血を行えます。圧迫止血法そのものです。通常のガーゼと比べるとミドリソウの治療成分により傷が塞がりやすく、出血量を抑えることができます。


 ついでだったので、ソラは新しく錬成陣を描きはじめます。ヒーリングガーゼと陣はほぼ同じなのですが、今度は布の部分に幅5センチ、長さ10.6メートルに生成と書きます。

 あとは錬成し、完成です。できたのはヒーリングバンテージ…包帯です。

 この包帯を出血した部位に巻くことで、止血を促す圧迫や、悪化しないように保護することができます。もちろん、僅かではありますが巻いた部分の治癒を促すことができます。

 また、骨折や脱臼といったときにその部分を固定することにも使えます。


 ここまで完成し、ソラは一息つきます。

 とりあえず、後一つ作れば課題達成のはずですが、ガーゼと包帯を別のものとして扱われない可能性があります。そのため、一応もう二つは作っておこうと決めるのでした。




【6月7日】


 ソラが今日作ることに決めたのはヒーリングサルヴ、塗り薬です。

 手始めに容器を錬成します。事前に買っておいた直径4センチ、高さ2センチ程の塗り薬用容器を元に結晶砂から錬成、ガラス容器を作成しました。

 そして、新しい錬成陣を描いていきます。まずは円を一つ描き、そこにナヤの実を置きます。その隣にもう一つ円を描き、こちらには水を設置します。この二つの円を囲うように大きな円を一つ描きます。そして、この円の中のものを高温、高圧によって炭化水素混合物にします。そこから不純物を除く、と書きます。大きな円から線を引き、その先に円を描きます。そこにはミドリソウを置き、治癒成分抽出と書きます。二つの円を結んだ線から新しく線を引き、その先にも円を描きます。これで、錬成陣は完成です。

 素材がセットされていることを確認し、早速錬成を開始します。途端、体に急激な負荷がかかりました。全身に重みが加わったような感覚。その上で、全身から力が抜け、陣を起動させている両手から抜けていく感覚。

 魔力を多く消費するときと同じ感覚です。

 ですが、錬成するにあたって、ソラは自身のMPを魔力ポーションによって十分回復させています。恐らく足りるはずだと思い練成を続けました。


(これくらい…)


 辛くなんてない。

 そんな思考をしながら、実際の錬成自体は3秒もかからず終わりました。陣の中には容器に入った錬生物があります。鑑定で調べると、しっかりヒーリングサルヴと表示されました。

 ヒーリングサルヴは傷口に使うことで、その部位の再生を促すことができます。さらに、回復するまでの間傷口を保護する役割を担うことができます。ポーションが体全体を治すのに対し、塗布した部分を集中的に治すという違いがあります。また、火傷になった場合にも使われ、流水で冷やした後、患部の保護と治療を兼ねて使用されます。

 完成したものを見て、ソラは


(あと一つ)


 今月の課題のことだけ、考えていました。

有機成因論と無機成因論、どちらが正しいかはわかりません。

炭化水素混合物から作成したとお考え下さい。ファンタジーなので。




桐崎 空 (ソラ・キリサキ)

LV :4

HP :36/36

MP :36/52(↑3)

力  :12

敏捷 :13

体力 :14

魔力 :21(↑3)

抵抗 :7

器用 :21(↑4)


スキル:【錬金術Lv6】(↑2)【薬学Lv4】(↑2)【採取Lv2】

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