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Sweet Honey


 君は甘いものが好き。

 食べ物も。

 性格も。

 恋愛も。


 対する俺は甘いのが苦手。

 食べ物も。

 性格も。

 恋愛も……?




「デートしたい」

 日曜日の突然の誘い。

「特大パフェ食べたい」

「…………」

「ねぇ、ダメ?」

 まるで子供のようにねだる大きな瞳。

 俺はね、甘いものは嫌い。

 食べ物も。

 性格も。

「……分かった。行こう」

 恋愛も?




 特大のパフェを目の前に、嬉しそうな君の顔。

 座ってつつくのすら困難なそれ。

 君との時間を損ねないよう、出そうになるため息を飲み込んだ。

「おいし~っ!」

 満足そうな声。

 まぁいいか。喜んでるなら……。

 君の半分以下のスピードで、パフェを口へ運ぶ。

 少しだけ、周りの視線が痛い。

 こんなの食べるのは、普通女の子だから。男二人でこんなパフェ、変だよなぁ……。

「ねぇっ!」

 ぼーっとしてたら呼ばれた。

 いつの間にか、けっこうパフェが減っていた。

「見て見て、いっぱい食べたっ」

「あ、うん……」

「頑張ったんだよ~。早く顔、見えないかなって」


 ――え?


「やっと顔見えるようになった」

 にっこりと笑う。

 子供のような、無垢な笑顔……。

「……そうだな」

 俺も笑った。

 今までしてた退屈そうな顔、情けなくて、とても見せられたものじゃないから……。




 俺はね、甘いものは苦手。

 ワガママで、まるで子供のような君に、甘い俺の性格も……。


 だけど、どうしても

 甘い君の笑顔を。

 耳に残るほどの声を。

 俺を呼ぶ甘えた声を。

 心の底から欲して、止まないんだ。


 君にだけは

 とことん甘く、弱い。

 砂糖より

 はちみつより

 甘い甘い時を、一緒に過ごしたい。




「……っあ、ベッドの灯り、つけちゃだめ……」

「何で?」

「何でって……恥ずかしいもん」

「可愛い顔見たい」

「いいの、見なくてっ!!」

「やぁだ」

 真似して言う。

 君の好きな“甘い”笑顔と共に……。



 苦手なんだ。

 甘いのは。

 もう、いらないんだ。

 そして、この世に存在しない。

 君以上に

 甘い

 甘いものはね……。




―『Sweet Honey』End


ラブラブデートのつもりで書きました。

でっかいパフェって夢があるよね?

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