表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

光の標識

これは創作における新しい物語です。皆さんが楽しんでいただければ幸いです。

リンタロウの一日は、朝の満員電車で始まった。押しつぶされそうな人波に揉まれながら、ようやく会社のビルにたどり着くと、すでに疲労感が全身を覆っていた。彼の部署は小さく、終わりの見えない仕事の山が積まれていた。


上司からは無理難題が飛び交い、昼休みもろくに取れず、トイレに行く時間すら惜しまれる。書類の山に追われ、パソコンの画面を見つめ続けるうちに、目は乾き、肩は凝り固まった。


午後には突然の会議が入った。何の意味もない会議が延々と続き、時間だけが無駄に過ぎていく。


定時を過ぎても帰ることは許されない。残業は当たり前、終電を逃しても仕方がない。帰宅しても疲れ切っているため、食事もそこそこにベッドに倒れ込む。


そして、翌日も同じ地獄が繰り返される。自由も夢もない、まるで現代の奴隷のような生活だった。


そんな中、彼のスマートフォンに届いた一通のメッセージが、まるで光のように彼の心を照らしたのだった。

それはギリシャ大使館からの連絡だった。リンタロウが応募していた「プラシニ・リパンシ」という移住プログラムへの参加許可が下りたという知らせだった。このプログラムは、ギリシャの過疎地域の再生のために、資格のある外国人を受け入れるものだ。


大使館へは翌日の午後7時に出頭するよう指示があった。


リンタロウは、限界を超えるほどの喜びを感じた。ギリシャの田舎暮らしを理想視しているわけではない。しかし、サラリーマンの奴隷のような生活よりは何でもマシだと知っていた。


今届いた通知は、一つのことを意味していた。


それは、自由に近づいているということだった。



この最初のエピソードを楽しんでいただけたら嬉しいです。次のエピソードもすぐにアップロードします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ